NHKマイルカップ レース回顧

ラップタイム
200m400m600m800m1000m1200m1400m1600m
12.322.734.146.058.01:09.31:20.51:32.5
12.310.411.411.912.011.311.212.0
※スマホからの場合、左右にスクロールして見ることが可能です。
指数

タイムランク:D
メンバーランク:C
勝ち馬指数:96
馬場差:-1.7

レース回顧

予想へ

マイルチャンピオンシップ前の11/19執筆

前日の土曜は内・前有利傾向。
土曜に少し雨があり、外差し馬場に変わるのではないかという予想を組み立てたが、時計の出方にはほぼ影響を及ぼさなかった。内・前有利傾向もさほど変わらなかった模様。
日曜は他レースで差しも決まってはいたが、4着タイセイビジョンの石橋脩騎手のレース後コメントも「前が止まらない今の馬場を考えてポジションを取りにいきました」というもので、事実、結果も前残りだったからきっとその通りなのだろう。
前半4ハロン46.0秒というところだけ切り取って見ればハイペースなのだが、4ハロン目11.9秒、5ハロン目に至っては12.0秒と、高速馬場のマイルG1にしては中緩みが酷い。
前残りになった大きな要因の一つだろう。
勝ち馬指数は96だが、ここは三歳限定G1。安田記念よりもNHKマイルカップは基準タイムが1秒遅いため、安田記念換算すると86になる。単純に安田記念に当てはめれば、マイルカップ勝ち馬ラウダシオンは安田記念11着ミスターメロディと同じ所にいる計算になる。
もちろん、そんな単純な計算式は通常当てはまらないのだが、それでも筆者はマイルカップを低レベルに位置付けている。
その理由として、まず、レースを作った二頭が出した指数なので、それなりにレースレベルを反映していると信頼出来るから。たとえば、追い込み馬が勝って出した指数なら、ペース次第で指数の上積みがあるだろう、等と計算も出来るが、それとは訳が違うのだ。
次に、古馬のマイル路線のレベルが単純に高いから。ヴィクトリアマイルはアーモンドアイ抜きでも高いレベルにあるし、安田記念もハイレベル。ここらのレベルと比較すると、この組はちょっと可愛そうになってくる。
最後の一つは、事実としてマイルカップ組のその後の成績が悲惨だから。まず、このレースを使った馬で、3勝クラスを勝った馬がいない。オープン馬も、ラウダシオンが(決してレベルは高くない)富士ステークスで2着になって辛うじて威厳を示した程度。

10着以内に入った馬のその後を記載してみよう。
1着ラウダシオン:富士ステークス2着
2着レシステンシア:出走なし(マイルチャンピオンシップ出走予定)
3着ギルデッドミラー(上がり3位):中京記念6着、信越ステークス12着
4着タイセイビジョン:富士ステークス5着(少頭数に加え、人気馬の自滅等もあり、破った相手は決して強くない)
5着ルフトシュトローム(上がり2位):京成杯オータムハンデキャップ16着
6着シャインガーネット:出走なし
7着ウイングレイテスト(上がり1位):秋風ステークス10着、キタサンブラックメモリアル2着
8着ラインベック:西脇特別(ダートの2勝クラス)1着、レパードステークス7着
9着ボンオムトゥック:西海特別2着、2勝クラス(牝馬限定)1着、ユートピアステークス11着
10着ソウルトレイン:札幌道新スポーツ賞1着

マイルチャンピオンシップ前に執筆しているということで、ここは一応、回顧の場だが、そこに出走する馬について簡単に書いておきたい。
単純なレース回顧を希望の方は、レシステンシアの太字部分以降は読み飛ばしてくれて構わない。
勝ち馬ラウダシオンについては、富士ステークスの回顧に譲る。
2着レシステンシア状態面でイマイチだった可能性が高い。
最終追い切りが、栗東坂路で56.5-27.0-13.7という、追い切り駆けするこの馬にしてはかなりセーブした内容。馬体重も-6キロの482キロとデビュー以来最低体重。
過去の指数等を見ても、万全のレシステンシアならこのレースで負けるようなことはなかったように感じる。そのため、レシステンシアだけはマイルカップ組でも別枠で括っても良いと思っている。

で、肝心のマイルチャンピオンシップで馬券になるかどうか。
馬券の一枠はグランアレグリアが埋めていると考えて、残り二枠。
同じ世代のサリオスと比較したいと思う。
レシステンシアの勝った阪神ジュベナイルフィリーズは超前残り馬場。それを考慮に入れてもこの馬は通常なら垂れるようなペースで飛ばして、それでも逃げ切り、これは二歳としては破格だと今でも思っている。馬場差-1.4で、勝ち時計1.32.7、指数102。
ただし、サリオスの方はより破格だと思っている。
こちらの朝日杯フューチュリティステークスは馬場差-1.0で、勝ち時計1.33.0、指数103。朝日杯も阪神ジュベナイルフィリーズほどではないが、前残り傾向の強い馬場。しかしレシステンシアよりも速いペースでビアンフェが飛ばした結果、3番手に付けたサリオス以外は追い込み馬で上位独占。他馬が来てからサリオスはもう一度ギアを上げた(サウジアラビアロイヤルカップでも並ばれてから伸びた)。指数が単純に1だけ上なこと、前崩れになったこと、加えて、サリオスがハーツクライ産駒で、レシステンシアがダイワメジャー産駒であること、サリオスが順調にレースを使えている一方でレシステンシアが一頓挫あること、以上を考慮するとサリオスが上だという評価を下さざるを得ない。
もちろん、まだ馬場も分からなければ、枠順すら決まっていないので、予想ではどうなるか未定だが、現時点ではグランアレグリアとこの馬より上のサリオスがいるため、馬券の枠は一つ、その一つも強力なメンバーが揃っているため、馬券圏内はかなり厳しいのではないか、と見ている。
馬場が結構な前残りになるなら、という現時点での評価。
マイルチャンピオンシップの予想は以上とする。

3着ギルデッドミラー
3枠6番という枠を活かして、内をロスなく回る競馬で3着。
戦前は1400mがベストかと思っていたが、そんなことは全くなかった。
次走の中京記念は人気を裏切ったが、追い込み決着の中、好時計の6着ならまずまずのもの。
距離は問題ないのだろう。
福永は「もう少しペースが流れてくれれば良かった」とは言っているものの、「狙った競馬は出来ました」とのこと。

4着タイセイビジョン
こちらも内枠を活かしてロスのない競馬。
トラックバイアスや中緩みの大きいペースだったため、ロスある競馬では上位に来られないレースの質だったのだろう。
アーリントンカップのレベルを疑っていたが、その1、2着馬がここでも上位に来た。

5着ルフトシュトローム
勿体ない競馬だった。直線で狭くなる不利が再三あった。
後方から上がり2位の脚を使ってはおり、地力の高さは見せたが……。
前走ニュージーランドトロフィーは指数が高く、その勝ち馬であるこの馬は強いとは思うのだが……。少なくとも、次走の京成杯オータムハンデキャップ16着が実力なはずはない。
結果はともかく、強い競馬をしたのはこの馬と、やはりニュージーランドトロフィー組のウイングレイテストだったと思う。

6着シャインガーネット
この馬も内枠でロスが少なく乗った方の馬。
上位はルフトシュトロームとウイングレイテストを除けば、そういう馬ばかり。

7着ウイングレイテスト
最後方から。
直線は大外。このレースを勝つための騎乗とは正反対の騎乗になったと思うが、それでも上がり最速の脚を使って0.6秒差まで追い上げた。
この内容から相当な器だと思った。
が、秋2戦が案外で……。

以上。
内・前有利なレースだったので、そういうレースを出来なかった馬の巻き返しに期待したい。
現在のところ、レースレベルが低すぎるのか、結果が伴ってこないが……。

指数自体が低すぎる訳では全くないので、何かは今後出世しそうだが。