マイルチャンピオンシップ2020 予想 トラックバイアスはフラットに。力勝負。

展開

土曜のレースを見る限り、もう前有利のトラックバイアスは終了した。
内目の馬場は見た目にもはっきり分かるくらいに剥げてきている。

外回り4コーナー(JRAホームページより)

前が残るかは展開次第だが、外の方が伸びるだろう。
トラックバイアスはほぼフラット、もしくはやや外有利と言ったところだろうか。
内回りの準メイン、メインでも外が優勢だった。
外回りは新馬と1勝クラスのみだったが、新馬でラチ沿いを通って逃げた3番人気のヴィアルークスが4着と馬券圏外に。
これで伸びどころを把握したのだろう。
7レースの1勝クラスでは直線で全馬最内を空けているほどだった。

時計の出方だが、まだ高速馬場といえるレベル。
メイン・アンドロメダステークスのアドマイヤビルゴの勝ち時計が1.58.8。
この馬の若葉ステークスで出した勝ち時計が1.58.6。
当時の馬場差は-1.3。
先週の芝2000mでの馬場差が-1.9だったので、若葉ステークスと同じくらいの水準にはあるのではないか。

展開はレシステンシアの逃げ濃厚だろう。
北村友一騎手はチューリップ賞の時、スローに落として逃げて負けているので、やるべき仕事は理解しているはず。つまり、ハイペースの逃げを作り出すのも濃厚。
続くのが、(近走前に行けていないが)ベステンダンク、アドマイヤマーズ、ラウダシオン、(行けるなら)カツジ、タイセイビジョン、サウンドキアラ辺りか。
グランアレグリアはおそらく中団。
サリオスも朝日杯フューチュリティステークスでハイペースを先行して押し切っているので、前目に付けるはず。

直線は力勝負。

◎ 4 グランアレグリア
○ 17 サリオス
▲ 7 アドマイヤマーズ
△ 8 インディチャンプ
△ 11 スカーレットカラー
△ 14 サウンドキアラ

見解

◎グランアレグリア
スプリンターズステークスの予想の時に「アーモンドアイクラスの怪物」「このオッズで買えるのは最後かもしれない」と評したグランアレグリア本命。
そう評したからには、よっぽど状態が悪い、来年視野に入れているらしい距離延長、等がなければ本命を打ち続けねばなるまい。
間隔の詰まったローテーション等、ケチを付けることも出来なくはないが、それも野暮というものだろう。
とにかくスピードの絶対値が違う。
阪神カップ以降、全て上がり最速と完全に本格化した今となっては敵なしだと見る。
テンに置かれるのも、マイルなら全く問題ないだろう。阪神カップではハイペースを中団より前で競馬を進めている。
ここも楽勝して次のステージへ。

○サリオス
先日、毎日王冠のレース回顧を書いた。
一言で述べてしまえば、昨年のダノンキングリーの毎日王冠よりもレース内容は上。
古馬相手でも堂々とトップクラスを張れる馬なのはほぼ間違いない、と見ている。

こちらも先日書いたばかりのNHKマイルカップのレース回顧で、レシステンシアとの比較について述べた。阪神ジュベナイルフィリーズと朝日杯フューチュリティステークスの比較を中心に、二頭を比べてみる。

1:阪神ジュベナイルフィリーズの方が前残りが極端な馬場で、他も先行馬決着。一方、朝日杯フューチュリティステークスはサリオス以外の先行馬は沈むという追い込み決着。そのため、サリオスの価値の方が高い。
2:馬場差を考慮した指数では、サリオスの方が1だけ上。
3:レシステンシアが早熟傾向の強いダイワメジャー産駒である一方、サリオスは成長力に富むハーツクライ産駒であり、両者の差が開いている可能性は高い。

4:レシステンシアは阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、NHKマイルカップと、前有利のトラックバイアスに助けられている。サリオスは決して前有利だったとはいえない皐月賞、コントレイルに並ばれてからもう一伸びした。ダービーも内前有利の馬場の中、外差しという恵まれない展開でも2着を確保。

以上の理由からサリオスはレシステンシアよりも強い。
前走で古馬相手でもトップクラスにあることを指数上でも証明した。
あと、並ばれてからもう一伸び出来る勝負根性というか、レースに対する前向きさがあるので、ここでも崩れることは考えにくい(サウジアラビアロイヤルカップ、朝日杯フューチュリティステークス、皐月賞、これら全て並ばれてからもう一伸びしている)。
負ける可能性の高い馬としては、皐月賞の時のようにサリオスより切れ味のある馬だろう。それがグランアレグリアだという評価を筆者は下している。
朝日杯で難なくこなしているようにハイペースも関係ない。
三歳馬ということで能力比較が難しいという声も聞くが、ここは評価を間違えたくない。
サリオスは対抗評価で良い。

▲アドマイヤマーズ
執筆現在、インディチャンプより上の3番人気だが、想像していた以上にバレているなという印象。
これも先日に書いた安田記念の回顧を読んでいただければ分かるが、ハイペースで差し決着になった安田記念で前に付けて粘った馬は高く評価出来る。
この馬は2番手を追走しながら、2着と0.3秒差の6着まで粘った。
これだけでもハイペース適性があるのだなと感じるが、他にもNHKマイルカップで前傾ラップを高い指数で勝っている。この辺りはダイワメジャー産駒の特徴が出ているのだろう。
前走スワンステークスは馬場不利の中、よくぞ2着に来たという印象。
スローペースや川田の好騎乗もあったが、同じ1枠のサウンドキアラが凡走しているのとは対照的で、あのレースで評価を下げる必要は全くない。
これに関しても回顧に書いているので、よければ、目を通して欲しい。
これは順当な三番手評価だと思っている。
正直、印は三頭までで良いかとも思ったが、馬連では付かない。馬券は三連単。その保険はかけておきたい。
本来なら二番手、三番手評価にすべきはずのインディチャンプについては後述する。

△インディチャンプ
とにかく休み明けが走らない。
ステイゴールド産駒自体が休み明けを苦手としており、その血を色濃く継いでいるのだろう。

これは何も、1800mの2戦だけを指して言っているのではない。
1800mの休み明け2戦も最後に止まるようなレースっぷりだったが、その前の休み明け、マイラーズカップでもこの馬は一旦交わしたパクスアメリカーナに差し返されているのだ。
これを見てしまうと、1800mという距離に敗因を求めるよりも、休み明けに求めた方が良いように感じる。
その前の休み明けの元町ステークスは強くはあったが、スローで時計的には全く価値あるものではない。
更に遡ると毎日杯で、これは3着。
追い切りは動いていても、この馬はいつも動くのでそう鵜呑みには出来ない。
スプリンターズステークスを使えなかった一頓挫の影響は大きいと見るが、それでもなお強いのは確か。連下評価とする。

△スカーレットカラー
天皇賞(秋)でも印を回したこの馬をしつこく狙ってみたい。
天皇賞後のコメントで「メンバーも強かったし、距離もあるのかな。体が増えていたのは良いこと。何もなければマイルチャンピオンシップへ」と、調教師が言い残している。
元からこのローテーションで決めていたというのは好印象。
ヴィクトリアマイルは鞍上が岩田でなく、位置取りも取りすぎたという印象があり、参考外で良いと思う。その予想にも記載した通り、内・前有利の馬場になってしまったため、ポジションを取りに行った可能性もある。
岩田ならこの馬の特性を理解しており、しっかり脚を溜めてくれるはず。
昨年の夏頃から本格化して、馬体重も増えてきたし、追い切りでも好時計を連発するようになった。
とにかく、昨年の府中牝馬ステークスのパフォーマンスが忘れられない。
前が残っている中、ただ一頭だけ別次元の脚で差し切った。馬場差-0.6で、その勝ちタイム1.44.5の指数は高く評価出来るもの。

阪神牝馬ステークスは出遅れながらも前有利の流れの中、2着。
出遅れず、脚をしっかり溜めて、それでも届くような流れの1600mのレースで完全燃焼して欲しい。それでもし駄目ならいい加減、G1では見切りを付けたい。
ハイペース自体は今年のクイーンステークス、内どん詰まりで、それがなければ勝っていた可能性が高かったから問題ないだろう。
見る目が間違っていなかったと、ここで証明して欲しい。

△サウンドキアラ
今年、ついに本格化。
京都巧者のイメージしかなかったが、阪神マイルも東京マイルもこなした今、特に不安はないだろう。スワンステークスで1番人気になった程の馬が、トラックバイアスで負けただけでここまで人気を落とすのなら、積極的に買いたい。
ハイペース適性だが、ヴィクトリアマイルがアーモンドアイを抜きにして考えれば、前傾ラップになっていたので、適性ありだと見たい。
というよりは、正確には万能タイプ、とも言えるだろう。
前走はノーカウント、ヴィクトリアマイルの指数は2着でもかなり高く、巻き返しは普通に可能だと見る。

他。
レシステンシア

前述した通り、今まではトラックバイアスに恵まれてばかりだった。骨折明けの今回は内有利馬場では全くない。そこそこ粘れる可能性も考慮に入れてはいるが、馬券圏内の二枠はグランアレグリアとサリオスで埋まっていると考えているため、馬券という意味では切る。個人的には、人気しすぎていると思う。
ケイアイノーテック
バテ差しタイプで、ハイペースは向く。が、トップクラスのキレもないため、掲示板辺りをウロウロしていると富士ステークスの回顧にも書いた。強いメンバーでは今回も来て掲示板辺りでは。
ラウダシオン
富士ステークスで印すら回さなかったが、流石に軽視しすぎてしまったかなという印象。マイルカップ組のその後の悲惨さはそのレース回顧にも書いた。ハイペース適性自体は元々あり、それで富士ステークスも2着に来られたのだろう。だが、そもそも能力自体が足りていないと思う。
カツジ
前走は指数自体は高いが、逃げることが出来てスローペースに恵まれたという印象。この相手では……。
ヴァンドギャルド
印を回すかで一番迷ったのがこの馬。ハイペースの前走・富士ステークスを勝ったように適性自体はある。前走はまずまずの指数。安田記念はハイペースを先行気味で、敗因もはっきりしている。溜めれば巻き返せる可能性はある。が、それでいえば、アドマイヤマーズはもっと苦しいレースをしている訳で、牝馬組のように未知の魅力がある訳でもない。せいぜい4着まで、と考えて印を打たなかった。

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