『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』3 「感覚」のズレと修正

※データは2018年~2020年末までの三年間を採用しています。

 2002年、私は北海道大学に入学しました。
 大学名を出す理由は自慢では決してなく(全国広いですから自慢にもならないでしょうが……)、旧帝大に入って真面目に勉強していなければ、こうして本を書く能力も身に付かなかった、と思われるからです。

 ともかく、大学進学によって帯広から札幌に移住した訳ですが、これで自分で馬券を買える! というのは数ある楽しみの中でも上位を占めていました。
 この年は、丁度、三連複が登場した年でもあります。
 当時、馬券をどう買っていたか?
 今、2002年の競馬を振り返りながら書いているところですが、重賞を見ても的中した記憶がないレースばかり……。
 おそらく、相当馬券が下手だったのでしょう。

 覚えているのは、穴党だったことです。
 というのも学生ですから購入出来る資金が少ない、それで大きく勝つためには穴党になる以外、選択肢がありませんでした。下手な鉄砲数打ちゃ当たる、とは言いますが、下手な穴狙いはまぐれでもほぼ当たらないのでしょう。
 あ!
 もしかすると、本命を買っても当たらない、どうせ当たらないなら穴を買った方が得策だ、という結論に至って穴党になったのかもしれません。

 高校時代までも個人的に重賞予想だけはしていました。
 その時は、自分の予想は割とよく当たる、という感触を得ていました。が、実際に馬券を買ってみるとまるで違いました。
 てんで当たらないのですから。
 こうした「感覚のズレ」というのは競馬においてありがちですが、勝つためにはきちんと修正しなければなりません。
 ありがちだからこそ「トントンくらいかな」「多分勝っている」(収支を付けていれば、負けているとすぐ分かるのにもかかわらず)と口にする人がいるのでしょう。
 私の姉はパチンコで「トータルで勝っている」と言い張りますが、絶対に負けていると思っています。

 たとえば、ダート競馬は前有利、と言われます。
 先に書きましたが、私は昔、中山ダート1800mで内枠の逃げ・先行馬が有利と知らされて、そういう馬ばかり買っていたことがあります。
 大事なのは「どの程度前有利なのか」という点ですが、これを知らなければ、私のような闇雲な買い方になってしまう場合があるのです。

 targetで調べてみましょう。

 中山ダート1800m

逃げ 勝率19,7% 連対率32.3% 複勝率42.9%
先行 勝率16.1% 連対率32.5% 複勝率45.7%
中団 勝率3.5% 連対率8.2% 複勝率14.4%
後方 勝率0.5% 連対率1.3% 複勝率2.8%
マクリ  勝率17.9% 連対率34.3% 複勝率50.7%

 これだけ見ると、確かに前が圧倒的有利で、逃げ・先行馬だけ買っていれば良さそうに見えます。 しかし、データは必ず疑う癖を付けましょう。
 そもそも脚質分類はどのように出来ているのでしょうか?

targetのオンラインヘルプから引用します。

 以下、引用。

 脚質の判定には、頭数及び通過順を使用しています。
ただし、JRA-VANの通過順は、各コーナーごとのものですので、新聞等に載っているものとは少々違います。
 2角、3角、4角で1度でも先頭を走った馬は、基本的には逃げと判定されます。ただし、一部マクリと判定される場合もあります。
 他は、まず頭数を3で割り、その数分の頭数(最大でも5頭)で先頭から3つのグループに分けます。そして、4角で3番目のグループに位置している場合は、追込あるいは後方と判定されます。 また、4角で2番手のグループにいる場合は、差しあるいは中団と判定されます。ただし、最高でも4角で5番手以下。
 2角や3角で後方に位置し、4角で1番目のグループにいるする場合はマクリと判定されます。ただし、その区分が無いときは先行と判断されます。
 上記の他で4角で1番目のグループにいる場合は、先行と判定されます。
 16頭立てなら4角で前から5番手以内に位置している馬が先行となります。この「4角で」という点が曲者です。

 引用以上。

 2021年マーチステークスで二着のヒストリーメイカーの通過順位は「7-7-5-5」となります。
道中7番手ですから一般的な観念では「差し」になりそうですが、targetの定義では「先行」になるのです。

第28回マーチステークス(G3)

 2021年の伏竜ステークスの勝ち馬ゴッドセレクションの通過順位は「2-2-2-1」です。
二番手から競馬をしていますから普通は「先行」と呼びますが、4角で先頭に立っているため、targetでは「逃げ」になります。

伏竜ステークス

 中山ダートは直線が308mしかありませんから、早めに進出する馬が多くてこういうデータになるのです。

 2021年韓国馬事会杯を勝利したマサハヤニースも「8-7-6-4」という通過順位ですから「先行」になります。

韓国馬事会杯

 実際に競馬予想する時に「中山ダート1800mの逃げ馬の勝率は19,7%だから……」と、確率で予想する人はほぼいないはずです。
 もう少し漠然と「前有利のコースで逃げ・先行馬も少ないから前狙い……」などと言語で予想する人が多数でしょう。
 ロジカルを知った上でデータで確認する作業は重要ですが、最終的には「感覚」で予想することになります(単純に「指数」「持ち時計」で買う、などの例を除けば)。
 私の感覚では「中山ダート1800mは起伏の激しいタフなコースのため、能力のない馬は脱落していく、ダートの中ではフェアな部類のコース」と捉えていますが、その感覚はそれほど間違っていないと思っています。

 最後に強調したいのですが、この「感覚」のズレを修正するために、Targetは非常に有用なツールとなります。