『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』4 トラックバイアス予想との出会い。


 トラックバイアス(馬場の偏り)という言葉がいつからあるのか分かりませんが、私はおそらくサラブレや競馬王などの本で知ったのだと思います。
 これを強く意識するようになったのは、2003年、東京競馬場の改修工事が終わってリニューアルオープンしてから、だったと思います。
 当時、東京競馬場は馬場の内側から乾き、内を通った馬が圧倒的有利になることが多かったのです。
 排水の影響だという噂が流れていましたが、真相は不明のままです。
芝が剥げやすい内側は路盤に太陽が当たるため、乾きやすいのだというコラム(ダービー直前! 亀谷×小島が「東京競馬場の馬場」をしゃべりつくす!(3))もありますが、それ以前の東京競馬場と比べてあからさまに内伸び馬場が出現するようになりました。

 今はその当時と比べて、雨上がりのトラックバイアスを読むのが難しくなったようにも思います。
『馬場を読んで馬券で勝つ方法』(馬場虎太郎著)では「東京の芝はその構造上、馬場の真ん中辺りから乾いていきますので、雨上がりの開催前半のAコースの場合はとくに、外差しがバンバン決まります」p43と書いてあり、その具体例として2018年のNHKマイルカップ(1着アドマイヤマーズ)を挙げています。
 自分の知識と違ってちょっと驚いたのですが、これを読んでいたため、私は2019年の富士ステークスが外差しになると読めました。ノームコアが外から差し切り勝ち、その後ろを付いていったレイエンダが2着でした。
 ロジカルとしては、東京競馬場は馬場が凸型になっているため、馬場の真ん中に日差しが当たりやすい、ということらしいです。
 仮柵のないAコースでの話という点には注意が必要でしょう。

第24回NHKマイルカップ(G1)

第22回富士ステークス(G3)

 話を戻します。
 日本ダービーは1枠有利が定説ですが、2006年メイショウサムソン、2008年ディープスカイ、2009年ロジユニヴァースの勝った日本ダービーは雨上がりの内伸び馬場の典型でしょう。
 見ていても、ほぼほぼ内を通らなければ勝負にならないレースでした。
 これらのレースで外を通って伸びてきた馬は、後にその実力が本物だったと証明することになります。
 最内枠から直線、まさかの大外に出したディープスカイ(一着)、ドリームパスポート(三着)、ナカヤマフェスタ(四着)、この三頭は世代屈指の実力馬でした。

第73回東京優駿(G1)(勝ち馬メイショウサムソン)

第75回東京優駿(G1)(勝ち馬ディープスカイ)

第76回東京優駿(G1)(勝ち馬ロジユニヴァース)

 2009年は当日の馬場をギリギリまで見て買うと決めていたくらいです。本命は内を通れる逃げ馬リーチクラウン。相手も先行の14番人気ゴールデンチケットを狙ったのですが、結果は七着。後にダートで活躍する馬で、さすがに狙いすぎでした。一枠一番のロジユニヴァースが先行して押し切りましたから、かなり後悔しました。

 今でこそエアレーションやシャタリングをするようになり、その効果で開幕週から差しが決まる馬場も多くなりましたが、当時は開幕週の内有利は定説でした(今でもまだまだ言われていますが)。
 そういう経緯もあり、昔よりも読みにくくなった印象が強い馬場ですが、トラックバイアスはハマる時の破壊力が凄まじい予想ファクターと言えます(予想ファクターの引き出し方についても後に書く予定です)。
 意外にもオッズに反映されにくく、オッズ妙味も十二分にあるのです

 2020年の秋華賞の行われた京都競馬場は完全な外差し馬場でした。

第25回秋華賞(G1)

 かなり時計がかかる重い馬場で、その内側は「死んでいる」と私が称するほどでした。
 事実、ほぼ全馬が内を避けていました。
 そういう馬場ですから、スタート後、内を通らざるを得ない内枠の馬はいくら人気でも不要だと考えました。
 軸は外枠を引いて三冠のかかっているデアリングタクトで良いと判断しました。
 他の人気馬がことごとく内枠を引きましたので、相対的にも有利に働くと考えたのです。
 相手は外枠全部。
 だけに本当はしたかったのですが、馬場読みの上手い福永騎手のミヤマザクラが一番枠。
何とかしてくるのではないかと深読みして押さえました。
 5番のウインマイティも、そこそこの人気馬で極端な内は避けられた、という理由から押さえてしまったため、あまり自慢出来たものではありません。
 さすがに点数が増えすぎです。
 それでも結果オーライ。

 2着に10番人気の12番枠マジックキャッスル、3着に9番人気で8番枠のソフトフルートが入り、三連複17920円、三連単44110円を的中することが出来ました。
 なおこのレース、4、5、6着も外枠、それぞれ16、15、14番枠で、外枠というだけで上位に来られるレースになりました。

 話はこれだけでは終わりません。
 外枠が来たのなら、内枠で上位入線した馬は能力が高いと考えることが出来ます。
 中でも、59.4秒で最内を通って逃げて7着に踏ん張った3番マルターズディオサは相当強い競馬をしたと言えるはずでしょう。

 マルターズディオサは次走、1400mの阪神カップに出てきましたが、秋華賞の内容の秀逸さ、距離短縮の優位性(後に書く予定です)、距離短縮でもでも先行出来るだろうメンバー構成、そのスピード能力を持っていること、を理由に本命を打つことが出来ました。
 抜けた1番人気のインディチャンプは、福永騎手がいつもスタート後、全く促していないことから、ここも馬なりのポジションになると踏みました。

第15回阪神カップ(G2)

 騎手についても後に書きますが、騎手というのは自分のスタイルを簡単に崩せません。「1400mだから促してポジションを取ってくるだろう」というのは予想する側の都合の良い解釈なのです。私は騎手の騎乗への不平不満が好きではないのですが、それぞれの騎乗スタイルを知っていれば、言わなくて済む類のものが多いのです。
 とはいえ、どうしても文句を言いたくなるような騎乗もありますが……。

 結果、インディチャンプは案の定、後方待機。
 最後追い込んできましたが3着まで。
 マルターズディオサは2着で、私は馬連と三連複を的中することが出来ました。インディチャンプが飛んでくれれば、もう少し美味しい配当にありつけましたが、それでも十分に付きました。
 何より、予想がドンピシャで的中したことが嬉しくありました。

 この例からも分かる通り、トラックバイアスはそのレースだけで完結するものでは決してありません。
 継続的にトラックバイアスの有利・不利を見続けていれば、人気の盲点に気付いて穴を取ることが出来るのです。

 私は芝のレースは重賞くらいしか本気で予想しませんし、大きく勝負しません。せいぜい、遊び程度の金額で買うくらいです。
平場のトラックバイアスまで見ている余裕も時間も気力もない、という理由がその一つだと言えます。
 ダートにもトラックバイアスはもちろん存在しますが、芝ほど極端ではないため、その見逃しがあっても辛うじて勝てるだろう、と思っています。本当は全ての日のトラックバイアスを見て、データとしてすぐ確認出来るようにしておくのが一番、と言えます。

 ダート競馬も本格的に始めて六ヶ月程度になりますが、極端なトラックバイアスの日はtargetにメモしてあります。
 今後も継続的にやっていれば、見逃しも少なくなってくるはずです。

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