『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』7 コース適性。スピード指数は有効か?

現在の予想スタイルに至るまでの物語。

 私がダート競馬で勝てなかった理由の二つ目に移ります。
 繰り返しになりますが、引用しましょう。

1距離短縮馬有利・距離延長馬不利、という競馬の根本原理を知らなかったこと。
2馬のコース適性を無視して指数だけで順序付けしていたこと。
3そもそもスピード指数が当たり前の存在すぎて、人気に反映されてしまうこと。

今回は、2の「馬のコース適性を無視して指数だけで順序付けしていたこと」の話になります。

 競馬の年間スケジュールの中でも、関東は面白いように出来ているなと感じます。
 夏の二ヶ月間を除けば、中山と東京の開催が交互に行われる訳ですが、中山と東京は求められる適性が完全に正反対の舞台だから、というのがその理由です。これは芝・ダート問いません。

 本書のために、ダート中距離のコース別マトリックスを作成しました。

 なお、参考にしたのは『「絶対に負けたくない!」から紐解く穴パターン事典』メシ馬著、の4事象メトリクスになります。
 著者のメシ馬さんはTwitterをしています。
 競馬で勝とうと思うなら、フォローして通知をオンにしておくことをオススメします。たまに、ツイキャスやTwitterのスペース機能を使って話されますが、その中には競馬で勝つヒントのような発言が多く含まれています。

 参考にした以下の本は穴馬探しに特化しており、目次別に非常によくまとまっていると思います。
 目次だけでもワクワクしてくるレベルです。Kindleの無料サンプルで目次が読めます。
 競馬予想本の中でも万人にオススメしたい一冊なので、持っていない方は是非、購入することを勧めます。

 この本ではダートコースが距離関係なくひと括りにされていますが、私はダート中距離に限ったマトリクスを作成しました。
 とはいえ、中山ダート1200mと東京ダート1300、1400mの関係もほぼ同じだと捉えてください。

 以下になります。
 見にくいかもしれませんが、縦軸の上は「軽さ」、下は「タフさ」、横軸の右は「高速」、左は「低速」になります。また、コース解説の項などでも使いますので、東京と中山の関係性だけ捉えてくだされば、今は結構です。

 中山ダート1800mは「低速」「持久力」、東京ダート1600mは「高速」「瞬発力」という特徴があり、まさに正反対の適性が必要となる舞台が、関東で交互に行われるのです。
 それはつまり、東京得意の馬もローテーションの都合上、中山に出ざるを得ない、そのまた逆も然り、という訳になります。
 となれば、危険な人気馬、格好の穴馬を探すのにも役立つと思いませんか?

 私は2021年のフェブラリーステークスで、このマトリックスの考えを利用するだけで、買うべき馬を6頭まで機械的に絞ることが出来ました。

 その6頭というのは、内枠から、3カフェファラオ(1人気)6アルクトス(2人気)7ワンダーリーデル(8人気)9サンライズノヴァ(3人気)10エアスピネル(9人気)13ソリストサンダー(5人気)、になります。
 全て、東京ダート1600mで高い指数を持っている馬でした。

 結果はカフェファラオ、エアスピネル、ワンダーリーデルの順で決まりましたから、私の絞り方は結果的に正解だった訳です。

「フェブラリーステークスを勝ったインティは?」
「ユニコーンステークスを勝ったワイドファラオは?」
「武蔵野ステークスで砂を被って後退したエアアルマスは?」
「東京でも通用するだろう末脚を持ったレッドルゼルは?」

 という問いが出てくると思いますので、答えましょう。

 インティは、日本レコードの出た前年のマイルチャンピオンシップ南部杯、で惨敗していました(当時は追い切りは悪かったのもありますが)。
 年齢的なものも含めて、私見では「インティのトップスピードは衰えている」と判断したのです。
勝った時のフェブラリーステークスはスローの展開にも恵まれましたし、若くてまだトップスピードもありました。

 人間もサラブレッドもどちらもそうですが、瞬発力と持久力では、瞬発力の方が加齢により先に衰えていきます。
 私はハーフマラソンとトレイルランの大会を完走したことがあります。
 私は過去の傷病の影響で瞬発力が著しく衰えているのですが、一緒に参加した元陸上部の女性に、悪路を走るトレイルランでは勝ったのです。が、ハーフマラソンになると全く歯が立ちませんでした。勝つ気も起きないくらいの圧倒的なタイム差があるのです。
 ランニングもそれまで全く運動していない状態から始めて、持久力はかなり伸びましたが、瞬発力の方はスプリントダッシュなどのトレーニングをしてもほとんど伸びません。
 年齢によってカバー出来る能力・そうでない能力の差の激しさを身を以て実感しています。

 ともかく、インティはタフなコースならまだ一線級を張れる馬だが、東京ダート1600mのG1ではもう厳しい、というのが私の見立てでした。
 脚質転換をして意外な一面を発揮しましたが、この判断は今でも間違っていないと思っています。

 ワイドファラオに関しては、前年、時計のかかる船橋のかしわ記念を展開にも恵まれながら楽勝したことから、タフなダート向きだと判断していました。3歳のユニコーンステークスはハイペースを差し返す強い内容でしたが、その基準タイムは古馬2勝クラスと同等のものでしかありません。

 オープンクラスのダートで、古馬に混じって三歳馬が人気になることが多いですが、同年代で通用する程度の馬なら基本、私は軽視します。
 ダートは芝より全体時計が重要ですし、その裏付けがない三歳馬は危険な人気馬になりやすいのです。

 その代表的な例として、エピカリスを挙げたいと思います。
 蹄に問題があった馬なので、本領発揮出来なかったことを承知で挙げますが、この馬は日本では古馬2勝クラスで勝てる程度の指数しか持っていませんでした。
 みやこステークスで1番人気になった時は、しめしめ、と思いながらテイエムジンソクからの三連単を購入しました。
 マーチステークスでも3番人気になりましたが、喜んで切りました。

 同世代で相当抜けた競馬をしているならまだしも、そうでない馬は軽視、を頭の隅に入れておくべきでしょう(エピカリスの北海道二歳優駿は大差勝ちの割に指数平凡でしたし、ヒヤシンスステークスは超スローで指数も平凡でした。スッと反応出来る馬なので、強く見えやすい、という面もあったように感じています)。
 2021年の4歳世代では、ユニコーンステークスを古馬相手でも楽に通用する指数で圧勝したカフェファラオを除けば、ケンシンコウやミヤジコクオウのように苦戦している馬、もしくは使って成長して強くなってきている馬、が目立ちます。

 エアアルマスに関しては向くかどうか以前に、砂を被ったら終わりの馬が最悪の最内枠を引いた時点で切りでした。結果、ハイペースになりながらも5着に粘りましたから、舞台的には合う馬なのでしょう。東京ダート1600mで外枠を引けば、俄然買いだと思います。

 レッドルゼルに関しては、前項を読んでいただければ、切りの理由がよく分かるでしょう。

『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』6 距離短縮の優位性

 距離延長どころか、初めての1600mでは切った方が回収率的にも割に合うと判断しただけになります。強い4着だったと思います。

 他、オーヴェルニュについても語りましょう。

 そもそもダート1600mという距離設定自体が、東京競馬場だけのものになります。
 加えて、ダートの中でも高速決着の速い上がりを求められるのも東京競馬場だけ、になります。
 そういう事情から、東京ダート1600mはコース巧者が生まれやすい舞台なのです(同様に、東京ダート2100mもそう言えます)。

 ですから、東京ダート1600mで好走した馬は再度好走する可能性が高いですし、反対の適性が必要なコースで強い競馬をした馬は東京ダート1600mが合わない危険性が高いのです。

 オーヴェルニュは中山ダート1800mに近い適性の東海ステークス(中京ダート1800m)を楽勝したことから(メチャクチャに強かったと思います)、ここでは凡走するだろうと読むことが出来ました。敗因は、大幅馬体減という状態面やハイペースを先行したということも挙げられるでしょうが、そもそも東京コースが向かなかった可能性も十分に考えられます。

 そう考えていたからこそ、平安ステークス(中京ダート1900m)で、私はオーヴェルニュに軸自信度Sを打つことが出来ました。前走で減った馬体も、+14キロで出走してきたため、不安点は解消しました。
 結果、購入額を増やして単勝20000円を注ぎ込むことが出来たのです。

 しかしながら、ダートは芝よりも適性の壁を超えて走ってくる馬が多いです。
 また、芝の方が適性差がはっきり出やすいと言えます。(このロジカルについては、またの機会に)
 また、馬の能力が拮抗している上級クラスの方が適性差が出やすいというのも覚えておくべき点でしょう。

 散々、偉そうに語りましたが、フェブラリーステークスの肝心の馬券は、欲丸出しの買い方によって外してしまいました……。
 私はギャンブルで勝つためのメンタル面に大きな問題があります。
 上手くいったことばかり取り出しているように思われるかもしれません。確かにそうなのですが、記憶に鮮明なレースが上手くいったレース、になるのは致し方ない面もあるでしょうし、今後、そうでない例も積極的に取り挙げていきたいと思います。

 最後に、

 3そもそもスピード指数が当たり前の存在すぎて、人気に反映されてしまうこと。

 について簡単に語ろうと思います。

 よく「スピード指数では勝てない」という人がいます。
 確かに人気に反映されてしまうからその意見は最もだと思います。
 が、スピード指数がなければ、肝心の馬の能力を図るための大きな手段の一つもなくなることになります。

 スピード指数で勝てるかどうかは別として、必要なものではあると言えるでしょう。

 それに、今でも「たまに」という以上には、高い指数を持っているのにもかかわらず人気にならない美味しい馬を見つけることが出来ます。

 反対に、スピード指数が低いにもかかわらず人気になる事象をよく見かけるでしょうか。
 たとえば、2020年のNHKマイルカップで3番人気に推されたサトノインプレッサです。
 2021年とは全く違って、2020年の毎日杯は非常に指数が低くて低レベルでした(単純に時計面からも判断出来ますが)。
 高速馬場のマイルカップでの惨敗もうなずける結果でしたが、そのだけに日本ダービーで4着まで突っ込んできたのは本当にビックリしました。ダービーの最内枠がそれだけ有利だという証左になるかもしれません。
 まだ一度もこの馬を馬券で買っていませんが、そろそろ弱い古馬相手になら対抗出来る実力を身に付けてきたようにも思います(指数的に)。過剰人気だった時期も過ぎ去りましたので、得意だろう時計のかかる馬場なら、どこかで狙うかもしれません。

 何だかんだ言いましても、スピード指数はほとんどの競馬新聞にいまだに書かれていない情報なのです(私はデイリー馬三郎を利用しているので、一応載ってはいますが、見にくくて参考にしたことがありません)。
 競馬新聞に載っていない情報だから価値あり、などと単純に言うつもりはありませんが、「昔はスピード指数だけで勝てた」と言われるくらいのファクターです。
 わざわざ嫌う必要もないでしょう。

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