『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』18 距離延長馬でも比較的、走れるコースについて2

「距離延長馬でも比較的、走れるコースについて1」

距離延長でも走りやすいコース一覧
 芝コース
・東京芝1800m
・東京芝2000m
・阪神芝2000m
・新潟芝1200m
・中京芝1600m
 ダートコース
・東京ダート1300m
・新潟ダート1200m(福島ダート1150mからの延長に限れば、延長の方が短縮全体よりも成績が良いレベル)
・新潟ダート1800m(トータルでは短縮よりも延長ローテの方が成績が良い。1700mからの延長が最も優秀で、次点に1600m)
・福島ダート1150m(1000mからの延長馬の勝率はやや低いのですが、複勝率に限れば、短縮ローテと互角)

東京芝2000mまで終わりましたので、阪神芝2000mに入ります。

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©うまのいらすと

※上のコース図ですが、直線の急坂がないような表記になっています。スタート後と最後の直線に急坂があります。ご注意ください。1の東京競馬場も坂がないような表記になっていますね。運営元に問い合わせてみました。

同距離 勝率8.6% 連対率19.3% 複勝率30.3% 単勝回収率78 複勝回収率71
延長  勝率8.6% 連対率15.5% 複勝率21.6% 単勝回収率65 複勝回収率74
短縮  勝率8.1% 連対率16.9% 複勝率26.2% 単勝回収率74 複勝回収率61

阪神芝2000mはスタート後に1.8mの勾配ある急坂を上って、内回りコースを一周するコースレイアウトになります。
スタート後に急坂を超えるため、スローペースになりやすいコースと言えます。東京芝1800m、東京芝2000m同様に、内枠・先行有利になりやすいコースです。
延長馬が比較的こなしやすい理屈も同様になります。
延長で位置が取りやすくなり、スローペースになりやすいため、スタミナも保ってしまう、というものです。
重賞は、大阪杯、鳴尾記念、マーメイドステークス、チャレンジカップが開催されています。

2022 マーメイドステークス

開幕週の阪神芝2000mということで、内枠先行馬を狙いに。
先行馬がまずまずいるため、何が逃げ・先行するかは難しいレースだと感じました。
このレースは距離短縮馬のワンツーでしたが、先行する馬を見極める方法が重要と思って、例示しました。
逃げ・先行候補は広く考えて、2ゴルトベルク、5トウシンモンブラン、7ウインマイティー、8キムケンドリーム、10アイコンテーラー、12マリアエレーナ、13ハギノリュクス、15ホウオウエミーズ、16リアアメリア、辺り。
わたくしの本命は2400mからの距離短縮馬7ウインマイティー。
本命にした理由は、先行意識の高い和田竜二騎手が久しぶりの鞍上で、長期休養明けから3戦続けてブリンカー着用だったからです。
和田騎手騎手の2021年の逃げ率は、7.3%。逃げ率こそまずまずですが、彼が先行意識が高い騎手というのは、以下の本にも書かれています。

ウインマイティーの前走はスローペースでの逃げ。テンの1ハロンは13.0秒と遅いため、これだけでは逃げられるか不透明です。
そこで、前々走の福島民報杯を見てみます。
福島民放杯は前半3ハロン通過が33.2秒と、1200mかと思うほどのハイペースに。テンの1ハロンも11.8秒。
亀谷競馬サロンのスマート出馬表によれば、ウインマイティー自身のテンの1ハロンは12.2秒でした。2000mで12.2秒というのはかなり速いと言えます。実際、このメンバーでは、過去まで遡っても1位の速さになります。
テンの1ハロンの速さが展開読みに重要というのは、双馬毅がその著書でも述べています。気になる方は読んでみてください。

この速力があれば、少なくとも番手での競馬は出来ると踏みました。
レースはダート馬のハギノリュクスが軽ハンデを活かして逃げて、外枠のリアアメリアが2番手に。
ウインマイティーは3番手の競馬から押し切りました。
ハギノリュクスの鞍上・藤懸騎手は2021年の逃げ率が10%オーバーと先行意識が高めの騎手。リアアメリア鞍上の幸騎手も先行意識の高い騎手。2021年の逃げ率は7.8%と和田騎手より高くなっています。
続いたラヴユーライヴの川須騎手、マリアエレーナの坂井瑠星騎手も先行意識の高い騎手になります。
対して、軽ハンデを期待されて穴人気になっていたトウシンモンブランの高倉騎手は、先行意識が極端に低い騎手。
つまり、どの馬が先行するか分かりにくい時、騎手の先行意識の高低と、馬のテンの1ハロンの速さ、枠順、この3つを参考にすれば、大きく間違わない、ということを伝えたいのです。

騎手の先行意識の高さについては、TARGETでおおよそ、調べることが出来ます。
方法は、
騎手を選択>戦績>「選択馬条件」の中にある「逃げた馬」のチェックボックスをチェック>調べたい期間を選択>検索実行、で逃げた馬の数を調べます。その後、その期間の全体の騎乗数を調べます。
逃げた馬の数÷全体の騎乗数=逃げ率
になります。

もちろん、騎乗馬の質に左右されます。減量のある若手は比較的逃げ率が高くなるはずです。減量があるというのに、逃げ率が低い場合、先行意識が低いと推測可能です。
また、逃げはしないけれども先行意識の高い騎手というのは調べるのが難しいと言えます。3着ソフトフルートの川田騎手がこれに該当しますが、これに関しては騎乗をよく見ること、本に頼ること、で解決出来ます。

馬のテンの速度に関しては、スマート出馬表が有用でしょう。
枠順は基本、芝なら内枠の方が先行しやすい、と言えます。

距離延長と話はズレていますが、ご参考ください。

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同距離 勝率8.2% 連対率15.2% 複勝率22.3% 単勝回収率79 複勝回収率77
延長  勝率1.7% 連対率10.2% 複勝率18.6% 単勝回収率6 複勝回収率101
短縮  勝率4.0% 連対率8.4% 複勝率12.4% 単勝回収率38 複勝回収率50

新潟芝1200mは延長の勝率こそ低くなっていますが、集計期間を伸ばせば勝率も優秀です。主に新潟芝1000mからの延長になりますが、ダートからの延長馬も穴をあけます。
新潟芝1200mで延長馬が走りやすいのには、まず、新潟芝1000mの特徴を知る必要があるように思います。
新潟芝1000mは、短距離ではありますが、非常にタフなコースと言えます。
テンの速さが重要になるのもさることながら、1000mを全速力で走りきれる馬はいませんので、持続力も非常に重要になっています。
2021年アイビスサマーダッシュのラップは以下の通りです。
11.7-10.2-10.5-10.7-11.1
見てお分かりの通り、2ハロン目が最速で、その後は減速し続けています。
この持久力戦という構造がダートと似通っているため、新潟芝1000mはダート馬が好走しやすいコースとなっており、また、馬格も必要となっています。
対して、新潟芝1200mは内回りで行われるため、直線は358.7mと短く、また、コーナーが鋭角のため、4ハロン目のラップが必ず緩んで息が入ります。また、ほぼ平坦になります。
ですから、コーナー部でペースアップが出来ない差し馬は不利で、先行有利なコースと言えます。
延長馬が走りやすい理屈としては、1000mでのテンの速力が活きる上に、コーナー部で緩んで息が入るため、距離が伸びるにもかかわらず、案外、楽が出来るから、でしょう。
延長馬がより楽を出来るのは、高速馬場になる夏開催と言えます。
時計がかかる春開催、秋開催は馬場がタフな分、スタミナ切れを起こしやすいのです。
夏開催に限った場合、延長馬の成績はより向上します。
2015年~2021年の夏開催に限った成績は以下の通りになります。

同距離 勝率8.5% 連対率16.3% 複勝率23.2% 単勝回収率64 複勝回収率68
延長  勝率7.7% 連対率14.9% 複勝率22.9% 単勝回収率84 複勝回収率82
短縮  勝率4.6% 連対率10.1% 複勝率16.1% 単勝回収率80 複勝回収率68

短縮よりも延長馬の成績が上回ってします。
この構造については、おそらくまだ知れ渡っていないため、新潟夏開催の1200m延長馬狙いはまだまだ有効な作戦と言えるでしょう。

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©うまのいらすと

同距離 勝率9.6% 連対率20.7% 複勝率29.8% 単勝回収率64 複勝回収率77
延長  勝率61.3% 連対率10.4% 複勝率15.8% 単勝回収率74 複勝回収率70
短縮  勝率5.8% 連対率10.5% 複勝率18.0% 単勝回収率63 複勝回収率52

中京芝1600mは、1~2コーナーにある斜めの引き込み線からのスタートします。スタート後、すぐに左にカーブして本線に合流。向正面の直線途中までが緩い上り坂というコースレイアウトになっています。
内枠の馬は外枠の馬に被されるから外枠有利という話をたまに耳にしますが、全体的には内枠有利というデータが出ています。
東京芝1800m、東京芝2000m同様にすぐカーブに差し掛かること、その後、上りが続くことで、スローペースになりやすいコースと言えます。
重賞にもなれば速くなることも多いのですが、条件戦の場合、他の競馬場のマイル戦ではなかなかお目にかかれないくらいのスローペースで進むことも少なくありません。
2022年のエルフィンステークスは、前後半47.2-46.8の後傾ラップになりました。距離延長馬のワンツーフィニッシュ。
2021年は驚くほどのスローで、前後半49.2-46.8と極端な後傾ラップに。これではスタミナ不要のレースと言って良く、12頭中7頭が上がり33秒台をマーク。距離延長の単勝200倍オーバーのスンリが2着して大穴をあけました。
スンリはその後、1200m・1400m中心に活躍していますから、これはスローペースに恵まれたものと言って良いでしょう。
中京競馬場は起伏の激しいタフな作りになっていて、距離短縮有利傾向にあります。芝1200mは最たる例で、他のどの競馬場の芝1200mよりも距離短縮馬が有利になっています。
そんな中、芝1600mだけが唯一の例外と言えます。
ハイペースが想定される場合はともかく、スロー濃厚なら距離延長馬を狙っていって良いコースだと言えるでしょう。

次回はダートをまとめて記事にしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。