エリザベス女王杯2020 レース回顧

ラップタイム

ラップタイム

200m400m600m800m1000m1200m1400m1600m1800m2000m2200m
12.623.734.947.259.31:11.31:23.51:35.51:47.41:58.52:10.3
12.611.111.212.312.112.012.212.011.911.111.8
※スマホからの場合、左右にスクロールして見ることが可能です。
指数

タイムランク:D
メンバーランク:C
勝ち馬指数:95
馬場差:-2.1

レース回顧

予想へ

予想とは正反対に、後方待機組が1、2、3着を独占してしまった。
その原因について。
まず、トラックバイアスから。
前日、土曜は逃げ馬がほぼ無双していたと書いたが、日曜は軒並み逃げ馬の成績が下落した。
日曜は【0.1.0.2.2.2】(内、5着の1頭は5頭立ての殿負け)。土曜は【2.1.1.1.0.1】で、決して人気馬ばかり来ていた訳ではない。穴馬の勝利、中穴の馬券圏内も目立った。
ペースでの有利不利が影響して、日曜の成績が下落したようにも感じられない。
ということは、単純に、一日経過して馬場傾向が変わったのだろう。「内・先行圧倒的有利」から「内・先行やや有利」程度に。レースを見ても、土曜は「そこまで外を通ると伸びない」というラインがあったように見えたが、日曜はそのラインの外からも差して来られていた。
「馬場は生き物」という格言がある。
本当にコロコロと馬場状態は変わってしまう。
今後、良い例があれば提示していきたい。
ちなみに今回の福島記念、前有利と読んだが、馬場悪化の早い福島のことだから、1日で外差し馬場に変貌してしまわないか、非常に心配していた。

次に、ペースについて。
逃げ宣言していたロサグラウカが出遅れ。
こうなってくると行きたい馬が不在になる。が、鞍上ノリのノームコアが行くだろうなとすぐに察した。こういう時、彼はセオリーを破ることを平気でする人なので。
ノームコアの逃げは、1000m通過59.3秒。
「速い!」とは思ったが、「速すぎる!」とは思わなかった。「速い!」と思ったのは、ノームコアが本命だったのが大きい。逃げならもう少しゆったり進んだ方が良いと感じたので。
おそらく、エリザベス女王杯と同じくらい時計の出る馬場だったアーネストリーの勝った宝塚記念この時の1000m通過が58.7秒で、前の組がそこそこ粘っているのである。
この宝塚記念のレース上がりが35.2秒。
今回のレース上がりが34.8秒。

牝馬限定戦という違いはあっても、ペースが速すぎて後方有利になったという訳ではなく、おそらくは(前・後ろの有利・不利が少ないという意味でのミドルペースになり、強い馬が順当に上位独占したのだと推測している。

このくらいの流れになることは想定内だった(ノームコアが逃げること以外は)ので、今回の予想の問題点は主にトラックバイアスの方にあったのだと見たい。

1着ラッキーライラック。
予想にも書いたように適性の幅が広いタイプで、今回のようなペースになっても大きな問題ではなかった。トラックバイアスの変化で大外も大きな不利にならなかった模様。
抜群の手応えで早めに進出して3角では3番手。これで前の組が一掃されてしまった面も少なからずあったか。
緩い流れなら先行策も正解になるのだろうが、流れるのなら待機策が正解になるタイプなのだろう。
あとは苦手と言われていた休み明け。

筆者としてはそこまで気になったことはない。
秋華賞はそもそも一頓挫あって状態に疑問符が付いた中での敗退。
今年の札幌記念はデムーロが強気すぎた。
ただ、今年の中山記念は明らかにズブさを見せていた。あれは休み明けの影響に感じたが、要は仕上がり次第なのでは。その中山記念の2着なので、今後、割り引くとしても多少、という程度でそこまで気にする予定はない。

2着サラキア。
これは充実期に入っている。
これで3戦連続で上がり最速を使った。三歳時を除けば、今まで上がり3位以内の脚すら使えていなかった馬。数字上に充実具合が出ている。

3着ラヴズオンリーユー。
やはり能力はあるのだなという印象。
オークスがハイペースの消耗戦を好タイムでの差し切り、あれは素直に評価して良いと思う。
消耗戦向きの先行馬、と予想のところに書いたが、差し馬でもあるという点は注意。

この馬ももしかしたらポジション取らないで後方待機の方が向くのかもしれない。

4着ウインマリリン。
この世代の牝馬中距離路線なら上位にあるのは確信出来たレース。

5着センテリュオ。
結果を見ればもっと上位でもおかしくない馬だと思ってレースを見返したが、特別な不利はなく、こんなものかというレース。

7着リアアメリア。
今日はスタートをきちんと出た。
今後も先行策を続けていく予定なのだろうか?
阪神ジュベナイルフィリーズは後方からでは届かない馬場の時点で厳しかった。
桜花賞は極悪馬場。
スローのオークスはポジションの差で4着だが、脚は使った好内容。
差した時は展開不利が多かったので、また差しに戻した方が良い気がするのだが……。

11着サトノガーネット。
予想のところで、前日までは上位の印を回す予定だったと書いたサトノガーネット。
後方一手なだけならまだしも、この馬は馬群を割れる印象がない。今日も大外一気。
印を回したセンテリュオはマーメイドステークスで内を突いている。こちらを無印にまでしたのはその差も大きい。

16着ノームコア。
「1角までは上手くいったけど、そこから少し気負ったのが誤算だった」というノリのコメントが出ている。逃げはともかく、逃げるならもう少しゆっくり行く必要があったのだろう。
ノリの変幻自在の騎乗が筆者は大好きで、彼ならどのような騎乗をしても認めることにしている。
スタート出てすぐに行くなと感じたこともあり、想定外だったとは言えない。
本命16着、対抗17着。
予想としては完敗。

17着エスポワール。
「ペースが速くなってつらくなった」というユタカのコメント。
消耗戦タイプだと思っているが、距離が敗因かもしれない。
前走は弱いメンバーのため、楽に2着は確保出来たが、福島牝馬ステークスは外々回されたにしてもいくらなんでも負けすぎ。あの惨敗の理由が分からなかったが、タフな福島の馬場をこなせなかった可能性がある。状態面が敗因だと思っていた秋華賞も、タフな京都2000mに斤量増がもしや敗因だったか。