3月16~17日のラップ中心の回顧

中山競馬場は風の影響が強い1週間になりました。
土曜前半は直線向かい風(北風)。土曜7Rから直線追い風に変わった模様です。風速が強くなったのが、8R(障害)から。
日曜は終日、追い風が強力でした。
加速ラップ・持続ラップが多く、数字としてハッキリ表れていました。

・中山芝は追い風が強くなってからは差し競馬に。
開幕4週目にしてようやく晴れになりました。土曜のクッション値が9.4、日曜は9.7まで上がり、インも使える馬場になっていました。内外フラットと見て良さそう。
時計も高速化しましたが、追い風の影響も受けて速くなった部分もあるかと思います。土曜9Rからは好時計が目立ちました。

・中山ダートも追い風の影響を受けて差し有利だったはずですが、日曜前半は上位人気馬が強かったから前が残った面もあるのでは。ただ、芝よりも直線が短くなる分、差し有利のバイアスも弱まると考えても良さそう。馬場はタフでもなく高速ダートでもなく平均的。

・阪神芝は内枠有利。ペースによって差しも決まるフラットな馬場。高速馬場の水準でしたが、日曜は雨が降って馬場差にも影響が出た模様です。

・阪神ダートは先週同様、時計が掛かっていました。外枠有利は継続。時計が掛かってはいますが、差しが届きにくいですね。

・中京芝のクッション値は土曜が9.1、日曜は9.4まで上がりました。高速馬場と呼べる水準までいきましたね。余力ラップも少なくありませんでした。

・中京ダートは時計が出ていました。先週までは時計の掛かるダートだったので、どうしたのでしょう。土曜の含水率が高かったからでしょうか。

中山芝の注目レース

・3月16日(土) 中山6R 3歳1勝クラス

好メンバーの揃った1勝クラス。
この時間はまだ直線向かい風。スローだったとはいえ、L2が11.6-11.6ならそれなりに優秀。
特に不利があったレースでもないのであまり言うこともないのですが、勝ったユキノロイヤル、差してきたレガーロデルシエロはそのまま評価。
3着グローリーアテインは東京ならもう少しやれるはず。
4着ツルマウカタチは出遅れて差してきたのでこれまで評価。

中山ダートの注目レース

・3月16日 中山12R 4歳以上2勝クラス

この時間帯には追い風が強くなっていましたが、とはいえ、L2の12.3-12.2の加速&余力ラップは優秀。翌日メインのオープン特別が1.11.2だったので、1.10.8の勝ち時計も優秀。

勝ったスクーバーは出遅れだったり折り合いを欠いたり、ハイペースに巻き込まれても崩れない強力な馬。今回は前に壁を作って折り合いがスムーズ。これだけまともな競馬ができれば勝って当然のレベルにあります。上のクラスでも通用する馬です。

2着カンザシは前走、L2が12.7-12.4の加速ラップを差してきたということで評価しました。差し馬で展開不向きなことが多い馬ですが、今回は追い風も味方したのでしょう。また今回は先行してしまう位の行きっぷりの良さ。出遅れや二の脚の遅さによってなかなか成績の安定しない馬でしたが、この競馬っぷりなら今後も崩れないのでは。

その後ろは離されましたが、3着サザンステートはダート適性の高さを示しました。元々はダート1800mで勝った馬。以前に1400mを使った時は残り250m位で甘くなっていたので、ダートでは1200mがベストでしょう。

4着アドバンスファラオは促して促して2番手へ。不利な展開で4着に残したのは力があります。1勝クラス勝ちもハイペースを逃げ切り圧勝。この時の1200m通過が1.10.6でした。これは1200mならそうそう崩れないでしょう。

阪神芝の注目レース

・3月16日(土) 阪神11R 若葉S

L1が11.4秒の余力ラップ。
1000m通過が61.0秒ならこのコースとしては流れた方です。
すみれSよりはレベルが低かったと思いますが、それでも十分に評価できるレースになりました。

勝ったミスタージーティーは「前が止まる馬場ではなかったので、いかにこの馬のリズムを保って好位を取れるかがポイントでした」と鞍上が述べていました。その意味ですんなり好位を確保できたのが勝因。阪神芝2000mでこの競馬ができれば、勝って当然の馬です。皐月賞でも。

ホウオウプロサンゲはアイビーSの2着から力は確かだというのに22.2倍は酷い。実力馬が数戦負けて巻き返してくるパターンは自分の中で激アツ!馬券購入者は見限るのが早すぎます。見限ってくれた方が自分としてはありがたいので、どうぞ見限ってください、と思います。ウマい馬券で私のお気に入り登録者数が1.2週間ですぐ減るんですが、そちらは見限らないでください(笑)
……とグチっぽくなりましたが、ホウオウプロサンゲは交わされてからもしぶとく食い下がっていました。皐月賞はペースが流れやすいのがどうか。

キープカルムは前走のつばき賞が超ハイレベル戦でした。1枠は恵まれていますが、差してきたのは評価。

残念だったのがジューンテイク。若葉Sは向かないと思っていました。位置を取れたのは良かったですが、上がりが速くなりすぎました。持続力が高く、皐月賞はまず向くだろうと考えていただけに出走できないのは無念の一言。すみれSを勝ったサンライズアースに代わりに頑張ってもらいましょう。

阪神ダートの注目レース

・3月17日(日) 阪神10R 鳴門S

3F通過35.4秒なら少し遅めですが、L2を12.0-12.0でまとめたのは立派。勝ったロードアウォードはオープンでもやっていける馬。
2着エルゲルージはどんどんと距離を短縮してきましたが、1600mに短縮した時点でパフォーマンスをアップしていました。1400mならすぐ順番が回ってくるはずです。
先行して離された3.4着馬は次走は相手関係次第。
5着ビオグラフィアはインで詰まる不利。1700m中心に使われていましたが、1400mの方が良さそう。次走も注目。

中京芝の注目レース

・3月16日(土) 中京10R 豊橋S

L5が57.8秒で余力ラップ基準をクリア。L5基準だけクリアした形ですが、このパターンで勝つ馬は持続力が高く、瞬発力で見劣りする部分が大きい。昨年のフローラSはL4・L5基準クリアでしたが、逃げ切ったゴールデンハインドがまさに持続力型ですね。
勝ったラリュエルは付いてきた先行馬を潰す逃げを打つタイプ。先週、中山牝馬Sを勝ったコンクシェルも同タイプなので混合するんですよね。とにかくラリュエルは距離短縮でハマりましたね。折り合いを欠くタイプなのでマイルがベストかもしれません。

このレース、3勝クラスとしてはかなりメンバー揃ったんですよね。
位置取り通りの結果になったので、負けた組も評価は下げなくてオッケー。
終いの伸び脚が際立っていたのは5着アルジーヌ。

中京ダートの注目レース

・3月16(土) 中京5R 3歳未勝利

カゼノランナーはダート適性が高すぎました……。これはダートの化け物でしょう。
L4が49.0秒で、L2が11.9-12.1ですからね……。勝ち時計の1.58.8も超優秀。
同日2勝クラスの勝ち時計が1.59.2。これも遅くないので、どれだけカゼノランナーが強いか分かります。
2着カズタンジャーですら優秀な時計。
3着ショウナンハルクでも水準級です。

重賞

・ファルコンS
3F通過33.8秒なら差し有利の流れ。
直線は内が渋滞して不利受けた馬多数なのでその点は注意。
勝ったダノンマッキンリーは折り合いを欠く馬。スタートひと息で控えたことが功を奏した形に。今回も序盤は引っ掛かっていましたが、コーナーに入ると落ち着いていました。差す競馬で勝てたのは収穫が大きい。マイルCでも侮れない存在でしょう。
2着オーキッドロマンスは好発で単騎逃げが叶ったのが大きい。差し馬の不利等があって恵まれてはいますが、残り200mから追い出して後続を引き離したのだから本物。クロッカスSはL2を11.2-11.3でまとめてタイム差なし。世代限定短距離戦はペースが流れやすいので買いにくいのですが、1400mまでなら。
3着ソンシはスタートひと息でしたが、二の脚で先行。直線で抜け出しにくくなった分、離された3着に終わりましたが、力確か。
4着ナムラアトムは前走がハイレベルだった1勝クラス。力通りか。
5着ロジリオンは出遅れて、直線ではインで渋滞。力負けではなく、マイルCでも。マイルまでは守備範囲でしょう。

・フラワーC
1000m通過60.0秒ならしっかり流れました。
4F連続で12.0秒を刻めたのは追い風が強かったからでしょう。
勝ったミアネーロはスタートを決めてインで溜める丁寧な競馬。これまでは出負けしていて、前走は狭いところに突っ込んで詰まる大きな不利。レースっぷりが改善してきたのは好材料。時計も速かったので評価はできますが、桜花賞はメンバーレベルが相当高いので、通用するかは微妙。
2着ホーエリートは牝馬限定戦ならこのくらいやれる馬。前走は直線で狭いところにいて追いにくそうで、ゴール前では他馬に挟まれる不利がありました。
3着カンティアーモは出負け。折り合いの怪しい馬ですが、今回は我慢できていました。前走よりはマシでしたが、今回も勝負どころでモタつく面がありました。力はあるんですが、買いにくいですね。東京が良いのでは。
4着ラビットアイは後ろ過ぎたか。直線はイン突き。力はあるのですが……。

・阪神大賞典
L5の57.9秒はかなり速いでしょう。稍重ですからね。
インを通していた馬で決着しました。外は不利が大きかったと思います。
勝ったテーオーロイヤルはやはり休みを挟んでから強くなっていますね。5馬身差は圧巻で、34.8秒の上がりは次点に0.5秒差を付けました。天皇賞でも上位候補でしょう。
2着ワープスピードは空いたインをするする進出していく川田騎手の好騎乗。ステイヤーズSはロスなく乗って最高の騎乗で4着。現状、トップ層とは力差がありそう。
3着ブローザホーンは、ワープスピードとの進路差の分、3着だったという印象。
4着プリュムドールはインベタで、直線だけ外に出す競馬。最高の競馬で4着という印象で、上位と力差はあるでしょう。
シルヴァーソニックとショウナンバシットは外目を回したロスが響いた印象。シルヴァーソニックは海外戦はともかく、天皇賞(春)は他馬のポカがあっての3着なのであまり評価はしていません。
ショウナンバシットはデムーロ騎手がどこかで動いてくれると思って本命にしましたが、外目を回して駄目でした。距離も長いかもしれません。

・スプリングS
1000m通過63.1秒はともかく、その後もペースアップせず……。L2だけ10.9-10.8でしたが、これは評価が難しいところ。
勝ったシックスペンスは新馬戦も追い風でL1を10.7秒でまとめた馬。評価が難しいですが、圧勝だったのでそれなりに評価はして良いのでは。レースセンスが高く、すっと好位に付けられますが、皐月賞には繋がらないようなレース。皐月賞はペース次第でしょうか。ハイペースになりそうなら軽視。スローなら買えます。
2.3着と4着同着のコスモブッドレアは展開に恵まれたもの。評価していません。
4着同着のチャンネルトンネルはやや力み気味。直線は外にヨレて他馬に迷惑をかけていました。鞍上は「全体的に幼いですし、もう少し馬体を絞りたいところ」と述べていました。外を回すロスがあっての好走なので、上位馬の中では評価しています。
ウォーターリヒトとジュンゴールドは度外視。
ジュンゴールドは折り合いがほぼスムーズ。初角だけ折り合いを欠いた形。前走は折り合いを欠いての惨敗だったので、きちんと折り合えたことだけが収穫。
ウォーターリヒトはチャンネルトンネルがヨレたことでログラールと共に不利がありましたが、いずれにしてもこの展開では無理。