余力ラップで取れる!穴パターン!

6月から始まった2歳戦もいよいよ佳境。
序盤は2歳戦が少なく、強い馬はオッズに反映されてしまうなという印象を抱きました。そうした強いはずの馬も案外、馬券外に飛んでしまい、余力ラップではかなりの苦戦を強いられました。余力ラップを開発したのが今年に入ってからということで、過去を実体験できていなかった面もあります。

ファンタジーステークスで2着に好走したドナベティという馬がいます。
1200m新馬戦では3F通過35.2秒、L2が11.1-11.4で余力ラップに該当した強い馬です。

次走のクローバー賞では3番人気と妙味あるオッズに感じました。余力ラップでの勝利だから距離延長はこなせるのに!と考えたのです。ですが、レースでは物見をして口向きが悪く、また、力んでもいました。直線もモタれてしまい、5着に敗退。

2歳戦は若駒故に精神面が幼く、力を出しきれないことがあるのだと痛感させられました。
新馬戦は全馬、初戦ということで折り合いを欠く心配も少ないのですが、2戦目以降で折り合いを欠くこともまま見受けられます。
また、レースを一回使ったことで一変してくる馬も目立ちます。

京王杯2歳ステークスの覇者・コラソンビートが勝った未勝利戦で2着に来たグラビティブラストは新馬戦13着の内容からとても買える馬ではありませんでした。

パフォーマンスの上昇・下降が読みづらい。
2歳戦の難しさの一つです。
ダート替わり・芝替わりの馬も多く、こうした馬の見極めが求められるのも難しさの一つでしょう。

しかしながら、時間が経過して戦績も蓄積されてきた今、余力ラップの力が発揮されてくるようになりました。
穴パターンを紹介しましょう。

1:訳あり敗戦で人気を落とした馬。

先のドナベティがまさにそうで、ファンタジーステークスでは9番人気の低評価に。クローバー賞を使わず、2戦2勝だったと仮定すれば、もっと人気になっていたはずです。クローバー賞の敗戦が「1200mの馬」という印象を強くしたのだと思われます。
ですが、先にも書いた通り、クローバー賞では物見・モタれ癖を露呈しての敗戦。内にモタれた面を見せた以上、ラチを頼れる最内枠は良いだろうと考えました。結果、2着と頑張ってくれました。

先日のデイリー杯2歳ステークスで2着のエンヤラヴフェイスもほぼ同様です。
新馬戦は中京でL5・58.0秒と余力ラップでの圧勝で、新潟2歳ステークスは3番人気に推された馬ですが、惨敗したことで8番人気と株価急落。
新潟2歳ステークスは先行態勢に入ったところで、馬の後ろに入るとズルズル後退。他馬の後ろに入ると良くないと陣営も述べていたので、外枠を引けたデイリー杯は絶好の狙い目でした。レースでは比較的、馬の後ろに入れることを避けることができて2着に巻き返しました。

このパターンは戦績が蓄積されてきた11月、ようやく活用頻度が増えてきました。
レース映像まで見なくとも、まだ戦績が少ないだけにラップだけは見ることができるはずです。
余力ラップでスピードを見せた馬がこの時期に衰えることはほぼないので、敗戦に関しては「何かあったのかな?」と度外視して買うのも有効に思います。

2:底が見えた馬

2歳戦は馬柱のキレイな馬が人気になりやすいため、1勝クラスで負けると底が見えたということで無敗の馬よりも人気になりにくくなります。
ですが、その1勝クラスがハイレベル戦だったとすればどうでしょう? 無敗馬よりも強いということはザラにあるはずです。

デイリー杯で3着だったナムラフッカーは2戦目で一変して余力ラップでの勝利。次走の紫菊賞で3着に負けたことでおそらくは「底が見えた」と判断されたのだと思います。
ですが、紫菊賞も余力ラップ戦で、0.7秒差でも余力ラップ水準で走っていました。デイリー杯は10番人気の低評価。出遅れて後方からになりましたが、最後は脚を使って3着に食い込みました。

3:ダート1勝クラス以上

ダートはラップよりも走破時計が重視されるのだなと感じたのが、11/5のもちの木賞。
持ち時計ナンバー1のジャスパーロブストが1番人気に。ですが、ジャスパーロブストの未勝利勝ちはL2が13.3-13.7と余力が全くない中での勝利。

ダート1勝クラスは未勝利戦よりも走破時計を詰めてこなければ、大抵勝負になりません。走破時計を詰められるのは、やはり余力ある馬。

勝ったアンモシエラの未勝利勝ちは、L2が12.7-12.7と持続ラップで、L1部で後続を突き放しました。
2着だったアラレタバシルの未勝利勝ちは、L2が12.9-12.7の加速ラップを差し切り。
3着のテンエースワンは1000m通過64.8秒のスローで、L4が50.2秒とメンバー最速。

前半スロー戦は時計が出にくいので、後半のラップに強さが凝縮されます。スローで後半速かった馬は時計を詰めると覚えておいて良いでしょう。