3月23~24日のラップ中心の回顧 「好きで先行馬を潰しているのではない!」

・中山芝はクッション値が10を超えて一気に高速馬場に。内枠先行有利に傾きました。来週からBコース替わり。クッション値と時計の出方が連動しているので、来週もクッション値や天気には注目です。

・中山ダートは含水率は4%前後に留まりましたが、こちらも高速化しました。外枠有利は変わらず。先行馬が止まりにくくなって先行有利が強くなっています。

・阪神芝は道悪になって低速化。差し馬の切れ味が削がれて先行馬有利に。日曜も先行有利でしたが、5Rと11Rは先行争いが激しくなって差し有利になりました。11Rのジャスティンスカイの鮫島克駿騎手は前が残る馬場を意識して出していったように思います。

・阪神ダートは雨で高速化しました。それに伴って内枠も走れるようになっていました。

・中京芝は金曜にクッション値が10.4まで上がりました。路盤が頑丈だったのでしょう、日曜は見るからに内が悪そうでしたが、それでもラチ沿いを走った馬が頑張っていました。

・中京ダートは超高速ダート。土曜メインは1900mだったというのに、1.55.6という1800mのような時計が出ました。中京ダートは高速化する時は他場よりもその度合が強いと感じています。「先週の結果分析」の馬場差だと、他場は不良でも-2.0秒程度までのイメージですが、中京ダートは-3.0秒まで行くイメージです。土曜序盤の2戦以外は全て余力ラップになりました。

マーチSではミトノオーが長期休養明け60.9秒のハイペースで逃げて2着に残しました。
競馬王2023年10月号にて、「付いてきた先行馬を潰す前半高速ラップを刻む馬」の例として私は、ミトノオー、コンクシェル、ラリュエル、を挙げました。
2週前の中山牝馬Sではコンクシェルが逃げ切り、先週の豊橋Sではラリュエルが逃げ切り、ミトノオーも惜しい競馬でした。
注目してくれていた人の役に少しは立てたかなと嬉しく感じています。

今回は逃げ方について。
コンクシェルはテンが遅くて押して出していく逃げ方、ラリュエルは暴走型の距離短縮、とそれぞれ逃げ方にも違いがあると思います。
ミトノオーに関しては逃げにはこだわっていますが、自分のペースで逃げると自然と速くなるタイプだと感じています。古くは、スピードの違いで逃げていたミホノブルボン、サイレンススズカのようなタイプ。騎手が意識して飛ばしている訳ではないため、勝手に付いてきた先行馬が潰れてくれるのでしょう。今回はブライアンセンスとウェルカムニュースの人気馬2頭が潰れました。
この逃げ方は再現性が非常に高いと言えます。
昨年時点では、ミトノオーは「古馬オープンで通用するには1秒程度の時計短縮が必要になる」と書きましたが、順調に成長して今回は1.50.8という好時計で走破してくれました。
もう少し成長すれば、自分の分だけ走れば逃げ切れるタイプになるかもしれません。
スマートファルコンのような砂の怪物の登場を予感させてくれるマーチSになりました。

中山芝の注目レース

・3月24日(日) 中山12R 4歳以上2勝クラス 芝1200m
L2が11.3-11.4の余力ラップ戦。
勝ったルーフは長期休養明け3戦目。馬体も絞れてきて順当勝ち。
2着ステイトダイアデムは新潟の1勝クラスでL1を11.4秒の余力ラップでまとめて勝った馬です。その後、ハイペースに巻き込まれての惨敗、1400mで惨敗、と訳ありの敗戦でした。次走も注目。
3着トーセンサンダーは外目を回したことでインを突いた2着馬に交わされたという印象。こちらも次走注目です。

中山ダートの注目レース

・3月23日(土) 中山10R 伏竜S ダート1800m

余力ラップではなく、水準級だったと思いますが、このレースを取り上げさせてください。
回顧でテーオーパスワードの新馬戦を取り上げなかったのが悔やまれるほど。この新馬戦はお宝レースになっています。まだ買える馬が残っているので、今後もご注目ください。
1000m通過63.9秒で、L4は50.2秒。
12Rの古馬2勝クラスも1000m通過63.9秒で、L4は49.9秒。古馬戦の方がレベルは高かったとは思いますが、この時期の3歳馬は古馬2勝クラス相当で走れれば十分です。
テーオーパスワードはどうして1勝クラスを使わず、オープン戦に出てきたのか不思議でしたが、どうやら権利を得てケンタッキーダービーに向かうようです。応援したいです。
2着アラレタバシルは人気になると思っていましたが、6番人気。今までは前がバテたところを差し切っていましたが、今回は速い上がりで追い込んできました。力を付けているのかもしれません。
3着アンバードールは前走のL2が13.2-12.7。評価していたのですが、全く人気がなかったです。素直に評価して良いでしょう。
4着ラオラシオンは外を回されすぎたことが僅かな差に影響したのでしょう。力はあります。

阪神芝の注目レース

・3月24日(日) 阪神5R 3歳未勝利 芝1600m

メインの六甲Sが1.34.3の勝ち時計だったので、このレースの1.34.6は優秀でしょう。後半の方が時計が掛かっていたとはいえ、です。
勝ったパシフィックハイは速い上がりが使えないタイプ。上のクラスではハイペースの時に狙いたい。
2.3着馬も速い上がりを使えないタイプですが、力はあるので、道悪や馬場が悪化した舞台で狙いたいです。
4着リチャードバローズはペースが厳しかったのだと思われます。こちらは評価は据え置きで、次走は良馬場で狙いたい馬。

阪神ダートの注目レース

・3月24日(日) 阪神3R 3歳未勝利 ダート1800m

L4が49.1秒の余力ラップ。この週の1800m以上では最速でした。
1.2着馬は前走が、カリフォルニアが勝った小倉ダート1700mの2.3着馬。このカリフォルニアはハイペースで逃げて6馬身差の圧勝だった馬で、回顧でも取り上げました。
本レースの1.2着馬は評価。これに勝ったカリフォルニアも注目。全て徐々に力を付けてきているタイプなので人気にならなそう。ただ世代限定1勝クラスはハイペースになりやすいので、メンバー・展開と相談が必要。もし惨敗を繰り返したとしても、古馬混合になれば穴で来ます。

中京芝の注目レース

・3月24日(日) 中京2R 3歳未勝利 芝2000m

L2の11.5-11.7は馬場を考えれば優秀。4Rが同条件でしたが、2Rの方がメンバーレベル・レースレベル共に高かったと判断しています。
勝ち馬モアナフリューゲルは余力ラップ戦だった新馬戦で33.5秒の上がりをマーク。2戦目で追走がスムーズになりました。上でも通用するはず。
2.3着は枠に恵まれてはいますが、未勝利では上位。
未勝利レベルが低下してきているので、レベルの高い昨年に戦っていた馬の休み明けが穴で来やすくなります。
4着シルキーガールは外回し、5着ルージュルリアンは出遅れと敗因明確。次走改めて。

中京ダートの注目レース

・3月24日(日) 中京3R 3歳未勝利 ダート1800m

1000m通過64.0秒の超スローでしたが、L2の11.8-11.6の加速&余力ラップはさすがに優秀でしょう。
初戦で圧勝したシャンパンポップは外マクリの競馬で圧勝。上がりの35.2秒はこの週、短距離でようやく出る水準でした。
重馬場で外マクリという不利な競馬で圧勝した点も含めて次走注目します。
36秒台の上がりをマークした2.6着馬も次走注目です。

重賞

・毎日杯
1000m通過の59.6秒はこの馬場を考えればかなり速い。逃げ切ったメイショウタバルは回顧で取り上げたつばき賞の勝ち馬。この馬場で走破時計を0.9秒短縮したのは驚異的です。皐月賞の惑星が出現しました。ペースの流れやすい皐月賞は枠や展開次第なところがありますが、元々は控える競馬でも問題ない馬。
牡馬クラシック路線で評価しているレースは、すみれS・弥生賞・きさらぎ賞・ホープフルSの4つ。皐月賞前にまとめるかもしれません。この中から皐月賞勝ち馬が出てくるかと考えています。

・日経賞
マテンロウレオの大逃げ。横山典弘騎手がよくやる、そこから4角で後続を引き付けるレースに。結果的に速かったのでしょう、マテンロウレオ、先行したボッケリーニは惜しくも4.5着に脱落。時計も速かったので、上位馬は評価できます。天皇賞(春)は相手関係・展開次第でしょうか。

・マーチS
1000m通過60.9秒で逃げて、L4が49.8秒。時計が出ていたとはいえ、良馬場で1.50.7はかなり速い水準です。
先ほど、ブライアンセンスが潰されたと書きましたが、もしかすると単に良馬場では速い時計に対応できなかった可能性もあります。
勝ったヴァルツァーシャルは抜群のスタート。力を付けてきたのだとしか言えません。予想アプローチがあたっていたのに、ヴァルツァーシャルを切った私は愚かでした……。
3着ペイシャエスの2番人気には驚きました。ハイペースだったユニコーンSで先行して勝利した通り、タフなレースで強いタイプ。ミトノオーと共存できるタイプの可能性を考えていましたが、今後も共存はできそうです。

・高松宮記念
3F通過34.9秒は馬場を考えても遅かったはず。
進路差が明暗を分けました。
ラチ沿いを狙った2頭での決着に。マッドクールもナムラクレアも強いですが、今後もこの路線は枠や展開などで着順が入れ替わりそうです。
香港のビクターザウィナーはテイエムスパーダの出負けで恵まれたとは思いますが、直線で外に出したのが悔やまれます。インを通していても勝てたかは分かりませんが、少なくとも差は縮まっていたはずです。
ロータスランドはスタート後、すぐにインに潜り込めました。岩田康誠騎手恐るべし!
ルガルは外を回したとはいえ、案外な結果。坂、なのかもしれません。