東京大賞典2023 予想

自著『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』・「余力ラップ」について触れていただいた山崎元様の記事掲載の『優駿』2023年8月号・「余力ラップ」私の記事が掲載された『競馬王』2023年7月号・10月号になります。

枠順
馬印

◎1.キングズソード
○2.ノットゥルノ
▲6.ドゥラエレーデ
△5.ウシュバテソーロ

△8.ミックファイア

見解

大井は10月に砂を入れ替えました。
オーストラリア産の、いわゆる「白い砂」を用いて、砂厚も8センチから10センチに深くなりました。
差しが利きづらくなり、先行有利が強まったのも特徴。
とはいえ、広い大井なのでペース次第では差しも十分に決まります。
調べてみたところ、この砂を使っているのは他に、門別、船橋、園田、姫路、高知競馬場だそうです。
ペースも遅くなり、かつてのラップは全く参考になりません。
1200mですら、各馬、2秒ほど時計を落としています。
ここまで変わると適性の差が出やすく、すでに実績のある馬、馬格のあるパワータイプから狙うのがベターでしょう。

◎1.キングズソード
キングズソードの前走・JBCクラシックは今振り返ると相当なパフォーマンスです。
まず、1Fが12.4秒、3F通過が36.0秒、5F通過が1.01.5と、ペースが流れた中、全くの馬なりで3番手に付けられた点が驚き。
本来、先行馬というよりは差し馬なので、白い砂の適性がなければ、このような先行策は取れないでしょう。

勝ちタイムの2.05.1は例年の勝ち時計とそう差はありません。
昨年のウシュバテソーロが2.05.0。
昨年は1000m通過こそ1.03.5と遅かったのですが、サンライズホープのマクりによって6.7F目が11秒台にペースアップ。
結果的に差し馬有利の流れになりました。
ウシュバテソーロは、かつて東京ダート2100mで34.0秒という破格の上がりをマークしている通り、本来の適性は時計の出るダートにあるのではないでしょうか。
ドバイのメイダン競馬場も時計の出るコースです。
白い砂&砂厚12センチの日本テレビ盃で1.51.7という好時計で走破しているので、大井も問題なくこなせるとは思います。
ただ、当時は相手も弱く、ずっと上がり最速を使えていた馬が2位タイでした。

この比較から今回はキングズソードが凌ぎきれると考えて本命とします。

○2.ノットゥルノ
折り合いを欠く馬なので、3走前の盛岡の南部杯は距離短縮がハマってのパフォーマンスアップだと見ていました(2.3秒差ですが、レモンポップがぶっ千切っただけで、2着とは0.3秒差)。
そのため、JBCクラシックは無理だと考えていましたが、逃げて折り合いがあっさり付いて2着に好走。
まず、今回も逃げられる可能性が十分にあると考えています。

前走・チャンピオンズカップは逃げられないだろうと考えて無印でしたが、スタートでトモを滑らせて後方から。
控えて砂を被っても折り合いは付いていました。
直線ではウィルソンテソーロに外に弾かれる不利がありながらそう負けていません。
これは単に4歳秋を迎えて本格化してきた可能性が高い。
白い砂もJBCクラシックでこなせています。
秋3走の内容を評価して対抗とします。

▲6.ドゥラエレーデ
チャンピオンズカップは1000m通過が60秒台なら差しも決まりやすいレース。
今年は60.9秒だったのでそれなりに先行馬は苦しい競馬をしているはずです。
1.50.9と走破時計も優秀。
基本的にダートの頂上決戦で3歳馬は嫌いたいのですが、その考えも古びつつあるのかもしれません。
拙著にも書きましたが、来年から3歳ダート路線が整備されることで、ダート馬の育成が早まるだろうと予想していました。
この早期育成が予想よりも早かったのかなという印象で、昨年も今年も3歳馬が古馬に渡り合っています。
500キロ超えの馬格があるので、白い砂をこなせる可能性は高い。
また、逃げか番手から競馬できるのは有利に働くでしょう。
ムルザバエフ騎手は外国人騎手にしては逃げてくれる確率が高い騎手。
昨年今年合わせて逃げ率が10%近くあります。
残せる可能性は高いと考えて3番手評価とします。

△5.ウシュバテソーロ
ダート最強馬ですが、スタートが悪い馬。
BCクラシックとドバイワールドカップは出遅れ。
それ以前も出遅れ表記にはなっていませんが、実質出遅れているレースが目立っています。
白い砂で差しそこねることの方にベットして4番手評価とします。

△8.ミックファイア
チャンピオンズカップに出てくれば本命予定でした。
前走・ダービーグランプリは上がり36.7秒を使って逃げ切り。
着差こそ付きませんでしたが、上がりの数字から考えてスローだったはずなので、着差が付かなかったのは問題ありません。
東京ダービーで刻んだラップからJDDでは自信の本命を打った馬です。
そのJDDはミトノオーペースを早めに追いかける形で厳しかったはずですが、終いまでしっかり伸びていて、これは3歳馬では抜けているかなと思わされる内容でした。
ダービーグランプリは長距離輸送でカイ食いが落ちたことが響いて、チャンピオンズカップを回避した臨戦過程は良くありません。
砂が変わったことも、ダート馬として大柄な訳でもないので不安。
力は確かでも評価は落とします。

他、買わない馬について。

3.テンカハル
追い切りは動かない馬。
地方は向かないと思っていただけに3走前の2着は立派ですが、相手にも恵まれた印象。
この馬に勝ったウシュバテソーロがいるだけに馬券内の枠が残っているかどうか。
前走・浦和記念の3着は何とも言えず、ディクテオンが勝ち切っているだけにもう少し頑張ってほしかったところ。
上のレベルが高くて。

7.グロリアムンディ
本格化してきたという印象で、前走は印を回すか迷って回さず。
休み明けで、追い切りでゴールドハイアーに遅れていたことが決め手です。
今回も中間に1勝馬に遅れているのは、いただけない内容で、買いにくくなりました。
ただ、船橋2400mで大楽勝している通り、馬場適性は高いでしょう。

9.ウィルソンテソーロ
G1でも通用すると思っていただけにJBCクラシックの凡走をどう評価すべきか迷っていたのが前走。
今回のコメントで「JBCクラシックは大井の砂に対応できなかった」と述べています。いや、それは前走時に言ってほしかった……。
対策はできたということで、切れ味勝負を避けてもう少し前目で運ぶという話ですが、スタートが悪い馬です。
原騎手も出遅れ率が高く、前走も出遅れ。
JBCクラシックはメイショウハリオにも差されて、離された5着。
これだけを見れば買いにくくて。

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