天皇賞(秋)2020 予想 良馬場ではパフォーマンスを落とすクロノジェネシスを崩せる馬は……。

展開

道中は基本的に厳しい展開になりやすい。
後傾ラップにはなるのだが、これは馬場が良くて後半が速くなりすぎるだけで、道中も十分速い。
そのため、マイラーが来やすいのが特徴。

アルテミスステークスの予想でも紹介したが、これに関しても『ラップタイム重賞図鑑』夏目耕四郎著、に書いてあった。

理屈としては「安田記念で後方追走していた馬が同じラップで走っても天皇賞(秋)では自然とポジションが前目になって追走しても余力を残せるロジック」だという。
これを読んでどう思うだろう。
安田記念と同じラップで追走していたら、400m長くなるのだから垂れるだろうと考えるのが自然ではないか?
また、札幌記念の時も「マイラーが来やすい」と耳にして、確かにペルシアンナイトが来たが、その理屈が納得出来なかった。というのも、札幌記念と天皇賞(秋)は全く異質なレースだから。
筆者はラップに関して詳しい訳ではなく、必要最低限程度の知識しか備えていない。
とにかく、結果がそうなのだから理屈は分からずともその傾向を受け入れる、というスタンスで良いと思っている。
話を戻そう。
少頭数に加えて逃げ馬不在のメンバー。
例年よりも多少緩む可能性が高いと見ている。

となれば、ポジションを取ることも大事になってくるし、瞬発力も重要になってくる。
そのどちらも武器に出来る馬を探したいところだが、そんな馬、アーモンドアイとクロノジェネシスを除けば見当たらない。
なので、どちらかを武器に出来る馬を抜粋したい。


ちなみに今回の予想方法は「クロノジェネシスを倒せる馬探し」をテーマにしている。

何故、そうするかといえば、クロノジェネシスの二番人気は過剰人気の危険性がかなり高いように思っているからである。実はこの馬、馬場差が+の時(つまり、通常より時計のかかる馬場の時)、全勝で、負けているのは馬場差が-の時なのだ。
今回はパンパンの良馬場の東京で、馬場差は間違いなく-になる。
雨の影響が残った先週の馬場差を記載しておこう。
10/24(土)+0.2→-0.1への変動
10/25(日)-0.2→-0.4への変動

雨の影響のない今週の馬場差はより-方向に傾くだろう。
時計の出る馬場で行われるレースでなら、クロノジェネシスを倒せる馬は決して少なくないのだ。
大阪杯ではラッキーライラックの後塵を拝している。
エリザベス女王杯では5着敗退、格下の馬にすら負けている。

本格化前のオークスはラヴズオンリーユーとカレンブーケドールに負けており、桜花賞はグランアレグリア(マイルで戦えば今後ずっと勝てないだろうが)、シゲルピンクダイヤに負けている。
宝塚記念の圧勝は馬場がとにかく向いたことに尽きる。
その宝塚記念、見た目のパフォーマンスはド派手だが、スピード指数では低い数値が出ている。他が走らなすぎたことも考慮に入れておきたい。
もちろん、馬体重も増えて、まだまだ成長している可能性も十分ある。
だが、どこまで成長しているかは読めないので、筆者としては淡々と過去のレースを参考に、クロノジェネシスを倒せる馬を探すのみである。
では、筆者の印の項目に移る。

◎ 9 アーモンドアイ
○ 11 ダノンプレミアム
▲ 6 フィエールマン
△ 10 スカーレットカラー
✕ 4 ダノンキングリー

見解

◎アーモンドアイ
前走の安田記念は、相当指数を落とした。
古馬と戦うようになってからは、有馬記念に次ぐ指数の低さ。
有馬記念の方はかなりの消耗戦を早めに進出したことが敗因だが、安田記念の方は凡走した明確な原因が見当たらないのだ。2着を確保してはいるが、上がりもメンバー中3位。グランアレグリアは別格だったにしても、ノームコアにも上がりで負けているのだ。
このことから、正直、少し前までは衰えのことを考えていた。
が、今では衰えのことは頭から消した。というのも、中2週という初めてのローテーションに安田記念の凡走の理由を求めた方が理に適っているからだ。
衰えているかもしれないが、衰えていないかもしれない。
そんな運試しのようなことを予想しても仕方がないと腹を括った。

この馬がまともなレースさえすれば、このメンバーで勝てる馬はいないだろう。
素直に本命。
印を打った馬に馬連流しと、アーモンドアイ頭固定の三連単流しを買う予定。

○ダノンプレミアム
例年より少し緩むだろうことを考えれば、浮上してくるのはこの馬。
勝ちパターンは、スローペースを先行して突き放すような競馬。

これは2歳時、3歳時からそうだし、古馬になっても金鯱賞、マイラーズカップでそのような競馬で楽勝している。マイルチャンピオンシップもコース形態から前半緩むので本命にしたが、あれは相手が悪かったしか言いようがない。安田記念はハイペース、マイルチャンピオンシップはスローペース、と分かれるので、二つとも勝つのは基本的に難しく出来ているのに、インディチャンプは両方こなしてしまった。
とにかく、この馬は安田記念の二年連続惨敗からも分かるように、前半は極力緩んだ方が良い。
マイルのハイペースになってしまうと、スタミナを浪費してしまうのだろう。
今回、2000mも良いし、ペースが緩みそうなのも良い。
前走安田記念の惨敗は、レーンが残り200m地点くらいから追うのを止めているので負けすぎを気にする必要はないだろう。
昨年は速いペースでも2着。
持続力を武器にするディープインパクト産駒は劣化が少なく、今年も十分やれるはず。

人気落ちしすぎではないか。
対抗評価。

▲フィエールマン
この馬、長距離G1を3つ勝っているが、その内二つは瞬発戦。
菊花賞はラスト2ハロンだけのレースになり、スタミナなんぞ全く求められなかった。上がり最速が33.9秒で5頭もいるというのは、全馬スタミナを余した証拠である。
一年目の天皇賞(春)は、4ハロン戦にはなったが、それでも前半が超スローで、レース上がりが34.5秒。瞬発力とポジション取りがものを言ったようなレースだった。
二年目の天皇賞(春)はアンカツもTwitterで「不思議なレース」と評していた。スローなのに、レース上がりが36.0秒もかかっているのだ。タイム指数も低く出ているし、謎なレースだったとしか言いようがない。
とにかく、勝ったG1三戦を見る限り、フィエールマンがステイヤーだとは思えない。
中距離向きの瞬発力型ディープインパクト産駒。
これが筆者のフィエールマン評である。
中距離で負けたレースも、切れ味を活かせるようなレースになっていない。
ラジオNIKKEI賞は小回り福島で3.4角で位置を悪くしながら、凄い脚で追い込んで2着。
中山でのAJCCも差し損ね。
札幌記念はタフなラップになるので、向く訳ないと思っていたが、それでも上がり最速で3着。
正直、広いコースなら変わってくると思っている。
天皇賞(秋)はようやく見てみたかった舞台。
どう転ぶかは分からないところもあるが、向くはずだと見て単穴に推する。

△スカーレットカラー
昨年のアイルランドトロフィー府中牝馬ステークスの内容、指数共に圧巻だった。
あれを見て「これはG1級の馬だ」と確信したのだが、その後、順調にいかなかったのは、筆者の想像以上に適性の幅が狭かったか、あるいは、歯車が狂ったからか。
エリザベス女王杯の敗因は、超スローで外枠だったことが大きいと見ている。
ラッキライラックが最内を突いて末脚を爆発させたように、スローだと外を回る距離ロス・スタミナロスの影響が大きくなってしまう。この馬は道中ずっと外を回されていた分、末脚が削がれたのだろう。

有馬記念は超消耗戦。そこそこのポジションを取ったこの馬は息が保たなかった。基本、瞬発力型の馬で消耗戦は向かない。
阪神牝馬ステークスは出遅れ。前決着の中、ただ一頭上がり最速で追い込んだ内容は負けても強かっただろう。
ヴィクトリアマイルは超ハイペースを前に付けすぎた。あれでは道中で脚を失う。
クイーンステークスは内にこだわったレースで、前が空いてさえいれば勝っていたはず。上がり最速で強い内容だったと思う。
ここまで書いてきて、順調に進んだことが府中牝馬ステークスの後、ほとんどないなという印象。
まともならもっとやれるはず。
今の東京の馬場はペース次第というところもあるが、外差しもきちんと決まっている。
広い東京コース、そして2000mならこの馬の最大能力を発揮しやすい舞台になるだろう。
この馬も二着候補に挙げたい。

✕ダノンキングリー
まず、安田記念はハイペースで後方待機組が台頭するような流れ。
先行して負けた馬は強いと思って良い。
先日の富士ステークスを勝ったヴァンドギャルドが好例だろう。安田記念で後方から追い込んだケイアイノーテックをしっかり逆転している。
クロノジェネシスとの対戦は大阪杯。
ダノンキングリーが逃げる流れになったが、ジナンボーにピッタリマークされる流れで厳しい競馬になったのは間違いない。

それでいて、クロノジェネシスとの着差はクビ差。
逆転は可能な内容である。

ただし、基本的にこの馬、ハイペースの方が強い馬だと思っている。緩んだ時、どうなるかという一抹の不安が拭いきれない。
自分でペースを作りたくもないだろうし、なかなか難しそうな問題点だと思っている。
三連単の金額は均等買いの予定で、人気のこの馬が来れば配当が一番下がる。そういう意味もあり、ここまでの評価にする。

他。
実は案外すんなり相手4頭を選べた。


ブラストワンピース。
ハービンジャー産駒らしく消耗戦タイプ。宝塚記念は向く舞台だったはずだが、謎の惨敗。瞬発力勝負でも三歳時に頑張っていたが、やはりそういうレースではフィエールマンなどに劣る。これは割と自信の消し。
カデナ。
毎日王冠の予想で、重い馬場は向くと書いた。結果、4着で向いたのだと思う。という訳なので、軽い馬場は向かない。昨年の13着惨敗がそれを示しているだろう。
ダイワキャグニー。
東京巧者だが、完全に雨が降った方が良いのだと前走で確信。
雨が振らない模様なので、このメンバーでは不要だろう。幾ら展開の鍵を握れても残り目は少ないと思う。大逃げでもされたら分からないが……。
ウインブライト。
中山専用機だろう。ステイゴールド産駒らしく、タフな流れは強いが、東京芝2000mで、というタイプでは全くない。適性が真逆。休み明けでもあり、買いにくい。
キセキ。
ここ最近、まともに出ているのが天皇賞(春)だけ。阪神大賞典のような大出遅れはないだろうが、多少の遅れは以前からずっと続いているので、出遅れは覚悟しておいた方が良い。昔のように、逃げ戦法が打てるなら狙えるのだが、今回、鞍上がユタカで、出遅れたらリカバリーする意識が低いだろう。宝塚記念でもそうだった。川田のように先行にこだわるジョッキーでないので、逃げはないと読む。元々、消耗戦得意なタイプ。ここで積極的に、という馬ではない。
ジナンボー。
母系が出ているのだろう、基本はパワータイプ。
前走新潟記念は馬場の悪い内を通って上がっていった。
重馬場のJCで惨敗しているからどうかと思っていたが、重かった小倉大賞典3着、不良馬場のジューンステークス快勝、を見る限り、やはり武器はパワー。
今回、追い切り時計が随分と悪い。南Wでラスト1ハロンが13.4秒(馬三郎)。JRAの発表ではラストが13.8秒。併せ馬でカフェクラウンにも遅れ。これではいくらなんでも厳しいのでは。
本命党になってから、追い切りは「良い馬を買う」のではなく「悪い馬を消す」方向にした。良い馬が来ないことは多々あるが、悪い馬が来ることは滅多にない、という筆者の感覚がある。
という訳で、消し。

以上。

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