1月20~21日のラップ中心の回顧

今週は土日共に雨の影響が大きくなりました。中山土曜だけは影響をほぼ受けませんでした。

中山芝。土曜はまだ高速馬場の水準をキープ。日曜は雨の影響を受けて一気に低速化。面白いくらいに内有利から外有利に変化しました。
中山ダートは土曜、7Rから降った小雨の影響を受けて、7Rからは多少時計が速くなったように思います。日曜は完全な高速ダートに。
京都芝は土日共に雨の影響を受けて内空け馬場に。内空け馬場自体、進路を選べる先行馬有利になりやすいのですが、上がりが掛かりすぎて、切れ味が削がれる差し馬は差してくるのが困難でした。基本的には外枠先行馬有利。
京都ダートは改修後、雨が降ってもそれほど高速化していませんでしたが、稍重だった土曜から時計が高速化。不良まで悪化した日曜は更に高速馬場に。また、日曜くらいまで高速化すると内の優位性が高まると考えていましたが、あまり内有利という印象は受けませんでした。掴みきれません。
小倉芝は内が使えていました。日曜序盤もまだ内が使えていましたが、徐々に外差し馬場になってきました。来週も引き続きAコース使用なので、即、外差し狙いができると考えています。日曜は加速ラップが多くなりましたが、これは北風(直線追い風)が強かったからだと思われます。
小倉ダートは稍重の土曜から内が有利。外枠からも来ていましたが、位置を取ってロスを防いだ馬が中心です。ダートも直線追い風の影響を受けて、加速ラップ、持続ラップが1レースずつ。

中山芝の注目レース

1月20日(土) 中山10R 東雲賞

「アップダウンの激しいラップ」

12.8-12.5-12.0-11.8-11.2-11.8-12.0-11.5-11.7

3F通過37.3秒の超スローでしたが、スタートから5F目まで加速し続けるという変則ラップに。その後はまた減速。L2で再加速するという緩急あるラップになりました。
私は「アップダウンの激しいラップ」と呼んでいます。
「一定のスピードで走った方が馬は疲れない」ことを教えてくれるラップです。

通過タイムだけで見るとスローペースなので、マクって2番手を追走したグランドカリナン、逃げていたソバナはもう少し粘っても良いように感じますが、この型のラップはスタミナを消耗しやすい。そのためか、残れませんでした。

勝ったシンティレーションは中団からの競馬、2着グランドラインは前の馬が壁になって仕掛け遅れ、4着オブデュモンドは後方待機策でした。
3番手からの競馬でしっかり伸びたマイネルニコラスはやはり強い!

マクったグランドカリナンは止まっても仕方がないと思います。次走、「スローだったのに先行して止まった」と思われて人気が落ちるようなら狙い目だと考えています。

「アップダウンの激しいラップ」が馬のスタミナを削ると知ったのは、少し古くなりますが2020年の日経賞。

6.9-11.2-11.7-12.9-12.6-13.2-12.7-12.0-11.3-11.8-12.4-11.7-12.5

1000m通過は61.9秒で、初角を2桁通過した馬が掲示板の4頭までを占める完全な差し決着に。
2017年が1000m通過61.5秒で前が残れていたのでどうしてだろう?と当時、不思議だったことをよく覚えています。
L5区間の11.3秒が速いのは分かりますが、それでもここまで差し決着になるのか?と疑問でした。
Twitterか何かで「緩急あるラップは馬が消耗する」ということを知って解決。
であるならば、初角7番手から3着に粘ったスティッフェリオは強いのではないか?と考えたのですが、天皇賞(春)では「距離が長い」と考えて無印に。
結果、11番人気で2着に好走して後悔した覚えがあります。

「馬は一定のペースで走る方が消耗しにくい⇔スピードの上げ下げが激しいと消耗する」

1月20日(土)中山11R 初富士S
レース前に小雨が降り続きました。
雨の影響を受けたことに加えて、1000m通過60.7秒と速くないペースだったことを考えれば、1.59.2は速い。
L5は58.5秒で、今年の中山金杯の勝ち時計は1.58.9でL5が58.4秒。
当時よりも時計の掛かる馬場だったことを考えれば、中山金杯よりも価値は高かったと言えるでしょう。
差し馬台頭の中、先行して押し切ったグランベルナデットは重賞でも通用するはずです。
なお、「先週の結果分析」のタイムランクは高くありませんでしたが、中山芝2000mはラップ構成上、高いタイムランクが出にくい。1.58.9は優秀だと考えて問題ありません。

中山ダートの注目レース

1月21日(日)中山1R 3歳未勝利

勝ち時計の1.10.3は同日古馬2勝クラスと全くの同タイム。3歳のこの時期に古馬2勝クラスと互角の時計を出せるなら上のクラスでも通用します。
勝ったガビーズシアターは連闘策。新馬戦は追い風があったとはいえ余力ラップでの2着でした。
先週に取り上げた1月14日(日)の中山3Rの上位4頭はさらに注目度が上がりました。

1月21日(日)中山10R アレキサンドライトS

1.50.6は不良馬場とはいえ相当速い水準。
不良馬場だった昨年のマーチSですら1.51.4です。重馬場だった2年前のマーチSが1.50.2。
逃げ切ったダイシンピスケスは4走前、ハイペースの差し決着の中、2番手から2着と覚醒していた馬で、上でも通用するでしょう。
他の上位馬に関しても次走注目です。

京都芝の注目レース

1月20日(土)京都9R 若駒S

ラップはともかくとして、勝ったサンライズジパングは勢いの付いた残り200mから凄まじい脚で差し切り。ホープフルSは再三の不利がありました。想像していた以上の強さに脱帽。
2着のミカエルパシャは外に出さず、ラチ沿いをぴったり回ってきました。どうして外に出さなかったのかは分かりませんが、馬場の悪いところを通したと考えれば悪くありません。次もオッズが甘くなりそうです。

1月21日(日)京都9R 北大路特別

ファジェスのマクりによって6F目から11秒台に。
この馬場で後半に4F連続11秒台を刻んだのは負荷が高かったと思いますが、先行抜け出しで勝利したキミノナハマリアはやはり力があります。2着以下には後方待機の馬が浮上してきただけに価値は高い。

京都ダートの注目レース

1月21日(日)京都3R 3歳未勝利

勝ち時計の1.23.4は、同日1勝クラスよりも0.3秒遅いですが、3F通過35.4秒のスローペースだったことを考えれば価値あり。
L2の11.6-12.3は、東京以外ではなかなか見ないラップ。京都ダート1400mで上がり2F23.9秒以内は過去に48レース。
3歳未勝利ということも考えれば優秀でしょう。

小倉芝の注目レース

ありません。

小倉ダートの注目レース

1月20日(土)小倉11R 和布刈特別

L4の47.8秒は相当速い水準で、怪物ヤマニンウルスの新馬戦と同じ数字です。
2歳で出したヤマニンウルスの凄さが際立つ訳ですが、小倉ダート1700mでL4・47.8秒以内は過去に12レースしかありませんでした。内8レースが重・不良で出したラップなので、稍重で出した数字としては優秀でしょう。
5馬身差圧勝のゴッドブルービーは評価。

重賞

AJCCは時計的価値が分かりませんが、先行馬での決着で、大半の馬の上がりが37秒台。実質的にスローの流れ込みではないでしょうか。モリアーナだけが唯一の36秒台の上がり36.9秒をマーク。どちらかといえば高速馬場向きと考えていましたが、道悪も強いようです。

東海Sの1.49.2は、改修後の京都ダート1800mで最速の時計ですが、ずっと高速化しなかったので参考にはなりません。上がりが36秒台前半に固まりました。こちらも実質的にスローの流れ込みでしょう。ダントツの上がりを使ったオーロイプラータはやはり力があります。