紫苑ステークス2020 スタミナ勝負。

展開

中山2000の舞台は後半5ハロンのロンスパ戦になるが、その中でもこのレースの特徴を挙げてみたい。
大きな特徴は牝馬限定戦。
牝馬限定戦というのは、基本、前半スローになりやすい。
紫苑ステークスも、基本的には前半スローからのロンスパ戦。
例外は、重賞になってからはビッシュの勝った年。これがハイペースになり、元々厳しいこのレースがより厳しくなり、後方勢が例年よりも台頭した。反対に緩くなりすぎることはない。
メンバー的には徹底逃げ馬不在。
おそらく、スローからのロンスパになるだろうが、それでも十分に厳しく、差しが届くのは覚えておきたい。
もう一点の特徴は、エアレーション後の中山開幕週の馬場で行われること。
とにかく時計が出るのだが、その時計の出方が問題。
その時計の出方。
エアレーションの効果が、馬場に穴を掘って空気を入れる=馬場が柔らかくなる、それにより、時計が出やすくて走りやすい割には案外タフな馬場になり、結果、先行勢がオーバーペースで崩れるという論理で良いだろう。
また、枠は良い馬が入っているというのもあるが、外枠有利。
これは意識しておきたい。

◎ 11 スカイグルーヴ
○ 8 ミスニューヨーク
▲ 16 シーズンズギフト
△ 3 レッドルレーヴ
△ 6 ラヴユーライヴ
△ 9 スマートリアン
△ 12 クロスセス
△ 14 チェーンオブラブ
注 17 ウインマイティー

見解

◎スカイグルーヴ
フローラステークスの敗因は大幅馬体減だろう。
この成長期に-14キロは致命的。

三歳牝馬の大幅マイナス体重にはやられた思い出が多く、フローラステークスのローズテソーロにもやられてしまった。
いずれにせよ、参考外で良いだろう。
新馬戦のラップ・勝ち時計共に超優秀。11.8-11.2-11.1の加速ラップで、勝ち時計も水準以上の指数。
特筆すべきなのは京成杯。
牡馬相手、時計がかかる馬場で厳しいロンスパ戦になりながらも、高指数の2着は確保。2番手から早め先頭でこの競馬なのだから、ここでは力が一枚上なのではないだろうか。

これだけの馬が一番人気ではない。
それなら当然本命に据える。

○ミスニューヨーク
勝っている三戦のラップがこのレース向き
だろう。
逆にいえば、負けている三戦は適性がない舞台だった。
松島特別は4ハロンのロンスパ戦。
中山の1勝クラスも同様。
小倉の未勝利戦は馬場が重くてずっと12秒台が続くような持続ラップだったが、ラスト3ハロンが加速ラップに近くて優秀。

紫苑ステークスはこの馬向きにしか見えない。
ちらっと見る限り、キングズベスト産駒もロンスパ戦を得意としている馬が多い模様(短距離馬も多いのだが)。
オッズも付くだろうし、魅力ある対抗。

本命はシーズンズギフト。
三戦続けて中山。その前は福島2000と、同じようなラップになるレースを多く使っている。
ニュージーランドトロフィーは勝利目前だった。外差し有利だったとはいえ、1,3着馬も外差し。で、1着がルフトシュトローム、3着がウイングレイテスト、その後ろは離れた。マイルカップはご存知の通り、スローで前有利になった。ルフトシュトロームは不利ありながらも追い込み5着。ウイングレイテストも最後方から上がり最速で7着と強い競馬。強豪相手にギリギリまで粘ったシーズンズギフトも強いのは間違いない。
しかし、これはマイルでの話。
2000が保つかが問題。

その前のフラワーカップは、出遅れから先行、結果、ハイペースになり、3着に沈んだが、アブレイズ以外の前の組が崩れているのを考えれば、優秀な3着だったのではないかと見る。ちなみに、風の影響で前有利だったという話もあるが、ラップと、シーズンズギフトがこのレースで指数を落としたことからも、決して前有利ではなかったと判断する。
その前の若竹賞は時計のかかる馬場で、ラップも緩すぎたが、それでも好時計勝ち。
フラワーカップは厳しいラップを先行、新馬で超スローながらもロンスパ戦をこなしている。
それならば、中山2000も、控えて脚さえ貯めれば問題なさそうではある。
有利な外枠も引けた。
単穴で。

その他。
例年、スタミナを要するオークス組が優勢なのだが、今年はオークスのレベルに疑問が残る。1000通過はそこそこ流れたが、その後、中緩みがあり、最後はラスト3ハロンの勝負、という印象。勝ち時計も平凡で、上位と下位の着差も少なかった。全馬、余力があったのだろう。敢えて言うのなら、差しにくかっただろう後方待機組を上に見たい。

レッドルレーヴは中山での二戦が好内容。展開が向いた感もあるが、それでも評価はしたい。
ラヴユーライヴは前走の指数が優秀、ラップもこのレースと同じようなラップになるだろう。要注意。
スマートリアンは春は強さの指標になる馬だった。能力は堅実。
クロスセルは中山で二戦とも勝っているので。また、指数も条件内では優秀。
チェーンオブラブはオークスの追い込み馬。このコース苦手のマジックキャッスルは消して、フェアリーステークスで中山をこなしているこの馬に印を打つ。
ウインマイティーは中山2000自体は合うだろう。高速馬場も問題なさそう。

以上。
3連単は買いたいところだが、買い方に悩む。