阪神カップ2020 予想 速い逃げ馬は不在。マルターズディオサが大外から逃げると読む。

展開

まず馬場差。
先週日曜の1400mで-0.8秒。
雨予報はないので、引き続き良好な馬場で行われると見て良いだろう。
トラックバイアスなのだが、先週の朝日杯の時に「内目も悪くないが、外回りなら馬場の真ん中辺りに出すのがベターだろう。ほぼフラットと見て良い」と書いたが、これは誤り。
もちろんペースにもよるが、朝日杯もその他のレースも基本は内・前有利。

その朝日杯は勝ったグレナディアガーズも2着のステラヴェローチェも内目を突いた。道中から外を回ったレッドベルオーブが3着に敗退したように、外を回すロスの方が大きいように感じる。
思えば阪神ジュベナイルフィリーズも、サトノレイナスが内差しで2着、ずっと外を通ったメイケイエールは最後に脚を失った。

過去傾向。
ペースの振れ幅が大きい。
前半4ハロン44秒台が1回、45秒台が5回、46秒台が4回。

46秒台になるとはっきりと逃げ・先行有利になるが、今年はそうなるのではないかと読んでいる。

逃げ馬らしい逃げ馬はクラヴィスオレアだが、これのテン1ハロンが遅い。
スマート出馬表を見れば、12.5秒以上かけて逃げていると分かる。それ以上のペースになると逃げられていない。
単純に前走だけのテンの1ハロンで最も速いのがマルターズディオサの12.3秒。
続いて、ジャンダルムの12.4秒。
ヤマカツマーメイド、クラヴィスオレアの12.5秒がそれに続く。

マルターズディオサはテンに無理しなくても概ね速い1ハロンを刻んでいるので、大外枠を引いてしまったここは外を回すロスをなくすため、いっそ思い切って逃げるのではないか。

この馬が逃げても逃げなくても、ハイペースにはならないと読む。
希望は前半46秒台になること。

◎ 16 マルターズディオサ
○ 8 フィアーノロマーノ
▲ 6 ダノンファンタジー
△ 4 ヤマカツマーメイド
△ 12 インディチャンプ
注 1 クリノガウディー

✕ 3 イベリス
✕ 5 クラヴィスオレア
✕ 7 ステルヴィオ
✕ 9 サウンドキアラ
✕ 11 ジャンダルム

見解

◎マルターズディオサ
古馬相手に通用するような指数を現時点では全く出していないが、レース巧者っぷり、距離短縮、前走のパフォーマンスを買う。指数の上積みは可能。

阪神芝1400mで必要な適性は、消耗戦>瞬発戦、となる。
この馬は阪神ジュベナイルフィリーズで前半45.5秒を番手追走で2着しており、その適性の片鱗を見せている。

驚くべきは前走、秋華賞。
当時は完全な外差し馬場の京都。
そこに前半59.4秒というかなりのハイペースで逃げて、直線も最内に進路を取りながらあわや掲示板という所まで粘り込んだ。

前壊滅のレースの中、ただ一頭、逃げてあそこまで粘ったのは相当評価出来る。
まさしく消耗戦タイプ。

ローズステークスの予想にも書いた通り、元々、消耗戦に強いキズナ産駒でもある(そのローズステークスはかなりのスローになってしまったが)。
ローズステークス2020 予想 キズナ産駒は何故、重賞で穴を空けるのか?
産駒の阪神芝1400mの勝率こそ低いものの、複勝率は33.3%あり、回収率も100を超えている。

スローのオークスでらしくなく大敗したことからも(不適性から適性は見抜ける)、距離短縮が成功する可能性は高いと見ている。
問題は大外枠で、阪神芝1400mは内枠有利。

田辺騎手の決め打ちに賭けたい。

○フィアーノロマーノ
急坂コースの鬼、とでも言うべき馬。
中山[2.0.0.0]
阪神[3.2.0.0]
と、ほぼ完璧な成績を残している。

欠点はテンに置かれ気味になることだが、陣営もそれは理解しているようで、誰が乗ってもリカバリーしようとする意識が高い。テン乗りでも、押していくよう指示は出ているだろう。

ポジションさえしっかり取れれば、崩れることは考えにくい。

▲ダノンファンタジー
1600mでも引っ掛かり気味になる馬。
ここは待ちに待った距離短縮。
スタートは上手いので、こちらはポジションに苦労することはなさそう。

勝っているのはスローの瞬発戦ばかりだが、ハイペースの超ハイレベル戦となったオークスで、カレンブーケドール、クロノジェネシスと同じようなポジションにいて5着。
後傾ラップではあるものの、アーモンドアイ抜きなら前傾ラップになっていたヴィクトリアマイルでも5着。

一定の適性は見せているし、ここはスロー予想なので全く問題ないだろう。

問題は上がり目。
敗因はあるにせよ、阪神牝馬ステークス、府中牝馬ステークス共に、以前までならここまで負けなかっただろう、というような敗戦を喫している。

△ヤマカツマーメイド
人気の盲点か。
ここ5戦中4戦が重馬場で惨敗続き。

新馬戦も重馬場で惨敗だから、重までなると駄目な馬だと見て良いだろう。

ファンタジーステークス4着がまず好内容。
45.6秒とハイペースで好時計だったこのレースで先行してまずまずだった馬は強い
と思っており、先週は丁度この組から二頭が勝ち上がり。
7着ペコリーノロマーノが2勝クラスを、3着クリアサウンドが長期休養明け二戦目で1勝クラスを勝ち上がった。
稍重だったフィリーズステークスも好内容で、その指数はすでに古馬オープンでも通用するレベルのもの。

橘ステークスの敗因が謎だが、桜花賞の疲れもあったのかもしれない。
古馬とのここ三戦は、展開や枠等、悪条件も重なったので、どれも巻き返し要注意なレースっぷり。
スタートは安定して速く、ここで位置を悪くすることはないはず。

おそらくかなり人気を落とすので、頑張ってもらって大きな配当を手にしたいところ。

△インディチャンプ
能力だけなら当然一番。
阪神1400mも向くと思う。

それをここまで評価を下げたのは、ポジションに不安があるから。
いつも福永が出たなりの競馬をしていて、あまり呑気に構えていると位置取りが悪くなるのではないか、という懸念がある。テンの1ハロンも下から数えた方が早い馬。

加えて外枠。
スローで中団辺りから外を回して差すとなると、べらぼうに速い上がりがある訳でもないこの馬は差し損ねるのではないか(超スローで極限の上がりを求められた昨年のマイラーズカップ4着が頭をよぎる)。

他馬と同斤量で間違っても惨敗はしないだろうが、横綱相撲をしようとすると足元を掬われる危険性があると見てここまでの評価。

注クリノガウディー
この馬は自身が道中ゆっくり運べれば確実に終い伸びる。
つまり、スローペースなら先行、ハイペースなら差し、が良いというある意味分かりやすいタイプ。

スプリンターズステークスはハイペースを追い込んで5着好走。
セントウルステークスは差し馬に厳しいレースで、差して上がり2位の脚で7着。よく来た。
関屋記念はハイペース先行で、最後は追わずに惨敗。
CBC賞は手応え良かったのに、直線で大きな不利。
高松宮記念はスプリントG1としてはかなりのスローの前半3ハロン34.2秒、しかもモズスーパーフレアは大逃げだったから番手に付けててもかなり楽出来たのだろう、1着降着。
阪急杯はハイペース先行して惨敗。
東京新聞杯は内・前有利の馬場で先行して3着。

馬柱は汚れているが、割と分かりやすい馬なのである。
で、今回はおそらくスロー濃厚だが、前に行くのか後ろから行くのか分からない。
東京新聞杯の時に調教師が「差す競馬を」と指示していたが、ノリが守らなかったので先行して3着。先行して高松宮記念を一位入選しているので、もう差しへのこだわりはなさそうだが、ここ2戦が差す競馬……。

先行さえすれば来るだろうという意味で、注、を付けておいた。

他は前残り注意ということでグルーピングした。
先行したいだろう馬は多い。

✕イベリス
テンが遅い逃げ馬というか先行馬。展開待ち。
✕クラヴィスオレア
これもテンが遅い逃げ馬。こちらも展開待ち。
✕ステルヴィオ
スタートが下手。そりゃ能力は高いが……。
✕サウンドキアラ
秋2戦パッとせず……。ディープインパクト産駒で、一度崩れたら積極的には買いにくい。
✕ジャンダルム
完全な消耗戦タイプかと思いきや、前走はスローを先行して押し切る。今回も同様の競馬が出来れば。

馬券はオッズと相談して。
マルターズディオサ一頭軸固定はしないようにしたい。

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