いよいよ、今年もラスト。
起伏の激しい中山競馬場を6回も周るタフなコース形態で行われる有馬記念。
まず、馬場差。
今日のホープフルステークスの予想に「先週日曜の2000mで+0.6秒」と書いたが、今日はもっと重くなっている可能性がある。
ホープフルステークスの勝ちタイムが超スローで2.02.8。
にもかかわらず、レース上がりが36.8秒もかかっている。
先週よりやや重いか、同じくらいで、いずれにせよ、かなり重い馬場、と認識して良いだろう。
有馬記念の過去5年の馬場差は、
2019年 -1.0秒
2018年 -0.8秒
2017年 -0.8秒
2016年 +0.1秒
2015年 -0.8秒
例年以上に馬場適性を重視しなければならない。
トラックバイアス。
こちらもホープフルステークスの予想に書いた通り、内・前有利な馬場。
ただし、スローばかりだったのには注意が必要。
スローだったからより前有利に見えただけで、流れれば差しも届く可能性はある。
しかし、それを考慮しても内・前有利なことには変わりないだろう。
有馬記念の特徴だが、スタートから最初のコーナーまで約192mしかない。
こういう場合、内枠の先行馬のアドバンテージが特に大きい。
そりゃそうだろう、良い位置を取りたい先行馬が距離ロスなく回って来られるのだから。
ただし、差し馬の場合は外から寄られる場合もあり、その有利さが軽減される。
それでも内枠有利には変わりない。
今年の場合、トラックバイアスと有馬記念の特徴から、内枠の先行馬が更に有利になる、と見て良いだろう。
このレース、元々ペースが読みづらい。
前が残る展開になる年とそうでない年の差が激しいのだ。
今年はキセキとバビットが行きたいようだが、どのくらいのペースになるかが読めない。
昨年のような前壊滅のレースは例外中の例外なので、少なくともあそこまでにはならないと思う。
二頭が飛ばしても、後続は離れてスローペースか。
多少流れても、変わらず前有利だと予想するのがベターだと考える。
狙うべきは、前に行けて、かつ、タフなレースに強い馬。
◎ 9 クロノジェネシス
○ 10 カレンブーケドール
▲ 6 キセキ
△ 3 クレッシェンドラヴ
△ 5 ワールドプレミア
△ 12 オーソリティ
✕ 1 バビット
✕ 13 フィエールマン
◎クロノジェネシス
はっきり言ってこの馬以外の本命は「あり得ない」だろう。
敢えて煽るような発言をしたが、重い馬場では無敵を誇る。
執筆現在、ようやくフィエールマンを抜いて1番人気になったが、本当はもっと圧倒的な人気になるものだと思っていた。
これが有馬記念。
普段、競馬をやらない人も買うから、おそらくオッズに紛れが生じているのだろう。
宝塚記念も消耗戦、前有利な馬場(※前有利にはならなかったが)、ということで本命を打ったクロノジェネシスは、馬場差が+のレースでは無敵。
[4.0.0.0]の圧倒的な成績。
宝塚記念 +0.4秒 1着 1.0差
京都記念 重すぎて判定不能 1着 0.4差
秋華賞 +0.3秒 1着 0.3差
新馬戦 +0.1秒 1着 0.3差
勝つだけでなく、着差も付けているのだから疑う余地はない。
馬場差-1.1秒だった天皇賞(秋)では「馬場差-なら付け入る隙あり」と読み、疑ったが、スタートで不利がありながら上がり2位の脚を使って3着。
その指数は101。
パンパンの良馬場でも最強クラスであるのに、重い馬場なら言うまでもないだろう。
レース上がりはほぼ間違いなく36秒台には入る。もっとかかるかもしれない。
そういう馬場でこの馬が負けるところは想像が付かない。
枠もまあ悪くはない。
ここは自信の本命を打つ。
○カレンブーケドール
この馬もタフなレースは得意。
消耗戦型ディープインパクト産駒。
この馬の馬場差+のレース戦績は[0.4.0.0]
オールカマー 2着 0.0差
京都記念 2着 0.4差
ジャパンカップ 2着 0.1差
秋華賞 2着 0.3差
オールカマーは超スローでキレのあるセンテリュオに出し抜けを食らった感じ。ペースに加え、いつも良くない休み明けでもあり、負けは不運で片付けられる。
京都記念、秋華賞はクロノジェネシスの2着。
ジャパンカップは三歳にして果敢に挑戦したが、ハーツクライ産駒の消耗戦タイプでいっときは最強馬とまで呼ばれていたスワーヴリチャードの2着なら悪くない。
問題はクロノジェネシスとの0.3秒、0.4秒差の間に何頭いるか。
パンパンの良馬場のジャパンカップでも三強に迫った馬だ。
今回、いない、と判断して対抗を打った。
安定して先行出来る脚質というのももちろん有利。
▲キセキ
紛れがあるとするなら、この馬の逃げ、もしくは二番手。
4歳時に逃げて5着だが、あれも紙一重で、残り100m地点まであわやの逃げ切りも見えたくらい。
ラップを見る限り、当時は幾らなんでもペースアップが早すぎで、もう少し楽出来れば逃げ切っても不思議はなかった。
全盛期のトップスピードは失っている感があるので、今の時計のかかる中山は向くだろう。
前走のジャパンカップは明らかなオーバーペースで度外視。
その前の天皇賞(秋)はまあ悪くない結果。
京都大賞典も、ジャパンカップでササって不利な内を通る羽目になって5着のグローリーヴェイズから0.1差の2着、指数が103なら何も悪くないどころか優秀な競馬。
これが馬場差+0.6だった。
宝塚記念は馬場差+0.4秒でクロノジェネシスから1.0秒差の2着。
京都大賞典と宝塚記念は差す競馬。
今回、逃げてクロノジェネシスとの1.0秒差をどこまで詰められるか。
その魅力に賭けての単穴評価。
△クレッシェンドラヴ
今回の目玉はこれだろう。
追い込み馬、というイメージがないだろうか?
ここ2戦、先行しており、出走全馬の前走のテンの1ハロンだけならメンバー中3位である。
テンの1ハロンはジャパンカップが13.2秒、オールカマーも13.2秒。
内枠でもあり、これなら先行出来る。
まるで有馬記念に向けて先行仕様にしてきたかのような使い方。
不気味すぎる。
ステイゴールド産駒らしく重い馬場は得意中の得意。
勝った今年の七夕賞が馬場差+2.6秒という超重い馬場。
これは普通の消耗戦向きの馬ですら大敗するというレースで、相当、質がタフだったのだろう。
その「普通の消耗戦向きの馬」というのは、たとえば、ジナンボー、マイネルサーパス、オセアグレイト、ノーブルマーズ、アウトライアーズなど。
その後、巻き返してきた馬も含まれているのが分かると思うが、多少の消耗戦適性では通用しないレースだったのである。
ここから分かるように、とにかくタフな流れになれば、他馬が苦しむ分、浮上するはず。
単勝万馬券の馬ではない。
馬券圏内も十分あると思って連下評価に推す。
△ワールドプレミア
「昨年は恵まれただけ」等、ネガティヴな声も耳にするワールドプレミアだが、その昨年の有馬記念は多少出遅れたユタカが意図的に下げたもので、好騎乗だったと言える。
別に追い込みしか出来ない馬では決してない。
テンの1ハロンは、
ジャパンカップ 13.6秒
有馬記念 14.3秒
菊花賞 13.5秒
神戸新聞杯 13.5秒
若葉ステークス 13.1秒
つばき賞 13.1秒
で、普通に出れば、ユタカなら馬場も読んで今回、中団辺りに付ける(し、付けられる馬)のではないか。
今日のホープフルステークスのヨーホーレイクは出遅れて結局、待機策にはなったが、行きたいような素振りは見せていた。
長期休養明けのジャパンカップでも指数が93あり、上々。
レース上がり37.6秒の昨年の有馬記念は指数101、レース上がり36.2秒の菊花賞は指数104、と高い。
元々、レース上がり36.6秒のつばき賞で指数111を叩き出しており、消耗戦向きだと思っていた馬。
馬場差-1.3秒のジャパンカップよりパフォーマンスは上げてきて当然の馬だから能力的に疑う必要はないし、今の時計のかかる中山の馬場は昨年より向く。
順当な連下だと見る。
△オーソリティ
前走はびっくりした。
骨折明けで陣営も自信なさげだったし、スローペースになりそうだったから軽視してしまった。
前半速くて中盤緩むという、アップダウンのある流れで先行馬には厳しめの流れだったと思うが、それを先行押し切り。
予想自体は外れたが、結果的にタフな流れ向きだと分かって良かったのかもしれない(消耗戦向きに出やすいオルフェーヴル産駒でも、タフなホープフルステークス、弥生賞ディープインパクト記念で負けていたのでよく分からなかった)。
これなら有馬記念でも狙えると、レース後に思った。
スピード指数は91と決して高くはないが、レース自体は完勝だったし、調教師から泣きが入っていたのだから上積みも見込める。
ルメールからの乗り替わりでも、先行にこだわる川田なので悪い材料にはならないだろう。
先行してあわやの競馬をしてもおかしくない。
ここまでが本線。
✕は三連単の3着付けだけで購入する。
✕バビット
前残り期待しての✕だが、おそらくはそう遠くない場所にいるキセキに勝てるような気がしない。
馬場差+0.4秒のセントライト記念は超スローで逃げて楽勝だったが、にもかかわらず上がりが37.0秒もかかっていた。単に後続が情けなかったと言えなくもない。
菊花賞は展開不向きで10着、指数は94と悪くないが、ここに+2キロの斤量でキセキが出ていたら10着に負けたか?と考えたら「それはない」というのが結論。
あって3着、という意味で✕として押さえる。
✕フィエールマン
本当は消したいくらい。
昨年4着で予想外の消耗戦適性を見せたが、長距離を勝っているようにスタミナ自体は豊富なのだろう。
元来、中山ではAJCCで差し損ねているし、直線の短い福島のラジオNIKKEI賞で絶望的な最後方から2着、札幌記念も差して届かずの3着と、やはり直線が長い方が良い。
天皇賞(秋)の予想では「中距離向きの瞬発力型ディープインパクト産駒」と評した(このレースの予想、大半の馬の診断まで的中しているので、興味があれば是非読んでほしい。自画自賛している)。
その通りだと天皇賞(秋)で判明したと思う。
テンが遅いのでポジションも取れそうにないが、早めマクリが怖い。
元々の能力も高いので押さえることにする。
以上。
せっかくの有馬記念。
全頭少しずつコメントを残そうと思う。
ブラストワンピース
これは明らかに調子を崩している。調教後馬体重が大幅プラスなように、今回も期待薄だろう。
ラヴズオンリーユー
ハイペースのオークスを好時計で勝って、以来、適性は消耗戦>瞬発戦、のディープインパクト産駒と見ている。
なので舞台適性はあると思うが、昨年秋からの成績(主に指数)を見る限り、そもそもここでは能力不足。
オークスで先行して粘った組は強い(クロノジェネシス、カレンブーケドール、ダノンファンタジー)が、差して上位になった馬(本馬、故障離脱のウィクトーリア、シャドウディーヴァ、シェーングランツ、アクアミラビリス)は大したことがないとその後の成績が証明している。
また、馬場差+1.8の府中牝馬ステークスであっさり敗退したのも気になる。
消耗戦向きでも、馬場自体は高速馬場が良い馬なのかもしれない。
ラッキーライラック
この馬も高速馬場の方が良いタイプだろう。
昨年のエリザベス女王杯で32.8秒の上がりを使ったことで、ようやく適性を理解した。
オルフェーヴル産駒だから消耗戦向きだと思っていたが、本質は瞬発戦向き。
今年のエリザベス女王杯はハイペースで、その適性の広さを見せつけたが、宝塚記念の敗退を見る限りでは適性はやはりここにない(その宝塚記念は先行馬に不向きなレースで、敗因は一応あるが)。
馬場差と宝塚記念を見ての適性で嫌う。
適性は広い馬だが、ここまでタフになると……という印象。
ペルシアンナイト
これも宝塚記念の大敗で嫌う。
皐月賞好走、ダービー7着を見ても距離が長いだろうし、おそらく年齢を重ねてトップスピードに欠けてきたという自覚があるからこそ距離延長を最近試しているのだろう。
重馬場適性はあるが、距離適性がない。
モズベッロ
能力・適性はあるが、まあまず後方待機濃厚か。
追い切りが悪く、おそらくここは多少無理をしてでも使ってみたかっただけなのでは……。
サラキア
完全本格化を前走で証明。
消耗戦・瞬発戦どちらもこなせるタイプだが、あまりに重い馬場は不得手の模様。
その「あまりに重い馬場」という点はまだしも、牝馬で距離適性も含めれば厳しそう。
そしてこの外枠、脚質では買えない。
オセアグレイト
前走は超スローの前残りに恵まれたのもある。
適性はあるが、高い指数は全くなく、ここでは能力的に一枚、二枚劣るだろう。
ユーキャンスマイル
ここ二走は展開、馬場不向きもあったし、以前までの能力を出し切っていないので押さえようかとも迷った馬。
だが、前有利と見た以上、この脚質、外枠では買えない。
書くのに時間がかかりました!
今年一年お疲れ様でした!
以上。
馬券は◎から△までの馬連・馬単・三連複流し。
三連単フォーメーションで◎→○▲△→○▲△✕。
これで丁度50点になるはず。
加えて、厚めの印の所に大きく賭けて、あとはクロノジェネシスの単勝も押さえたい。
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