「競馬はどのくらい荒れるか?」

拙著『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』では「券種別の売上の偏り」について触れました。その中で、1~3番人気の内、1頭以上が馬券に絡む確率は92.8%(2019~2021年)で、長年ほぼ変わっていない数字だと書きました。今年もほぼ同水準になっています。

これを知っているか、知っていないか、によって3連複の買い方が変わってくるように思います。1~3番人気はほぼ馬券に絡むのだから、全て消すような買い方はリスキーだと分かるでしょう。馬券裁判で有名になった卍さんは「(3連複で)1~3番人気を外した買い目は過剰に買われる」と述べています。1~3番人気を含めておいた方が、回収率的にも有効なのです。私の友人は3連複の2列目に1~3番人気「だけ」を入れているそうです。売上の偏りから考えれば、有効な手段だと考えられます。

では、馬連はどうなのだろう? 私は馬連が好きで「人気馬が飛んだ時の配当が美味しい」と何となく感じているので気になりました。TARGETでの調べ方は「馬券シミュレーション」で4~18番人気のBOX買いを選択。100%-4~18人気BOX買いの的中率=1~3番人気の内の1頭以上が絡む確率、になります(調べ方があるのか、少し頭を使いました)。2019~2022年の間で検索してみましたが、2023年も大差はありません。

1~3番人気の内、1頭以上が馬連に絡む確率は85.3%。うーん、なかなか人気馬は飛んでくれないなという印象です。1~2番人気に絞って計算してみると、73.7%。4回に1回は1.2番人気の両方が飛ぶ計算なので、まずまず狙えるなという印象に変わりました。ちなみに、回収率別だと、馬連・ワイドともに1~3番人気から流した方が高くなっています(馬連・ワイド総流しの回収率で調べました)。この辺りの事情を知っておくと、馬連の買い方も変わってくるのではないでしょうか。控除率の低い単複が勝ちやすい、という意見を見ますが、そう単純ではないと分かるかと思います。

もちろん、荒れるかどうかはレースや出走馬を見て判断すべきことではありますが、単純に競馬がどの程度荒れるのかは知っておくべき事柄だと思っています。少し前までの私は、むやみやたらに穴馬から買ってばかりいて、1つも当たらないなんてこともザラにありました(特に未勝利戦の多い午前のレース)。荒れ方を知っておくだけで、的中率・回収率は向上するはずです。拙著では、こうした現実把握のことを単に「感覚」と記していますが、この「感覚」を養うことは競馬上達の1つだと言えるでしょう。より現実的な「感覚」を養っていきましょう!