「夏競馬で3歳馬が強い理由は?」

夏競馬になると3歳馬VS古馬という構図になりますが、3歳馬の方が強いと一般的には言われています。その理由として考えられるのが、以下の3点です。

①斤量面で恵まれている。
②成長期にある。
③単純に3歳馬の方が古馬より能力上位である場合が多い。

この中でも①は、もはや格言のように伝えられています。
ですが、私は③が最大の理由だと考えています。2019年に降級制度が廃止されました。1勝クラスで例えてみましょう。古馬は1年間1勝クラスを勝てなかった馬の集まり。対して3歳馬の場合、(今まで出走してきたであろう)世代限定1勝クラスのレベルが混合戦の1勝クラスよりも高く、もっともっと上のクラスまで出世できる馬が混じっている場合がほとんど。3歳馬の方が強くて当たり前なのです。

2023年5月28日が、世代限定1勝クラスの最終デー。ボールドゾーンの勝った東京6Rはかなりの好時計で、惨敗組でも1勝クラスを勝てる水準にあります。事実、7.8着馬が次走で馬券に絡んでいます。

強い3歳馬が多いという事実は、馬券術として応用できるように思います。「3歳馬という理由だけで売れやすくなるため、能力比較をきちんとしておけば、過剰人気の3歳馬、過小評価の古馬が見つかりやすい」というのがその理由になります。

私がオッズの歪みを強く認識したのが6/3の小豆島特別。勝った4歳馬のブッシュガーデンは、2勝クラスでも1.2番人気に推され続けていた馬で、時計的にもそれに相応しい存在でしたが、3歳馬が1-4番人気を占めたことで5番人気まで評価が下がりました。3歳馬は2.4着に入っただけで、1.3.5着が古馬勢という結果になりました。

とはいえ、能力比較は難しいと思います。私が「単純に3歳馬の方が強い」と気づいたのは、2年前の夏。当時はスピード指数をよく見ていて気づいたので、単純な指数比較もある程度は有効です。私の「余力ラップ」は能力比較理論。夏競馬でも結果が出ているので、有効な理論だと感じています。

能力比較以外だと、前走未勝利勝ちの馬は好走率・回収率ともに下がります。この時期に、前走で未勝利戦を使っているというのはやはり1勝クラスで通用しない場合が多いのでしょう。

私のお勧めは、ダート短距離戦における3歳馬です。ハイペースになりやすい世代限定戦で前に行けずに惨敗。混合戦になって先行しやすくなり、穴をあけるというパターンが目立ちます。斤量減でダッシュ力が付きやすくなるという理由もあるはずです。例:7/15の中京12Rの1着メタマックスと2着ゴッドセンド。どちらも世代限定戦から混合戦に替わって位置を取れています。

最後に根拠になるデータを掲載しておきます。
3歳以上の混合戦・降級制度廃止の2019年~2022年まで。2023年も現在、全く同様の傾向になっています。

3歳馬
6月 勝率13.2%複勝率32.6% 複回収率76%
7-9月 勝率12.1%複勝率30.9% 複回収率77%
10-12月 勝率11.0%複勝率28.5% 複回収率74%

4歳馬
6月 勝率6.7%複勝率21.4% 複回収率77%
7-9月 勝率5.9%複勝率19.7% 複回収率70%
10-12月 勝率6.3%複勝率20.7% 複回収率78%

3歳の強い馬は混合戦開始の早期に勝ち上がり、比較的弱い馬が同クラスに留まるのだと考えられます(勝ち上がった3歳馬が昇級戦で苦戦することよりも、同条件で負け続けるパターンの方がデータ上多くなっています)。また、3歳馬は10月から斤量が1キロ増えることの影響も出ているのでしょう。
4歳馬は率に変化がありません。5歳以上は年齢的な衰えなのか、6月から時間が経過するほど好走率が下がっていきます。