2月24~25日のラップ中心の回顧 「未勝利デビュー馬の弱点」

・中山芝は1月のCコースからAコース替わり。圧倒的に内枠先行馬が有利でした。土曜はやや重にしては時計が出ており、良馬場なら高速馬場だったと思われます。日曜は更に馬場が悪化して時計が掛かるように。とにかく前に行くことが重要。外枠からでも前に行ければ好走できていましたが、内枠からの方が位置を取りやすい。

・中山ダートは1200m、1800m共に外枠が圧倒的有利に。含水率が高かった割に内枠が走れていませんでした。1番人気は15R中8勝を挙げており、複勝率は80%!1200mは高速ダートでしたが、1800mの方は道悪の割にはやたら上がりが掛かっていました。向かい風の影響を受けたものだと思われます。

・阪神芝は内枠有利。雨の影響の少なかった土曜も高速馬場という訳ではなかったように思います。日曜は重馬場まで悪化して時計も掛かっていました。

・阪神ダートは1200m以外は外枠有利。1200mだけは道悪で内枠有利に傾きます。土曜はやや重になった割にはさほど高速化しなかった印象ですが、不良馬場になった日曜はさすがに高速化しました。

・小倉芝は雨の影響で低速化。先週にインが回復していましたが、今週もインは使えていました。さすがに道悪になってインが有利という訳ではありませんでしたが、外を通した馬とほぼ互角。どこの枠もまんべんなく走れており、難しかった印象です。

・小倉ダートは道悪らしくイン有利。時計も出ていました。

土曜中山3Rのダート1200mで、未勝利デビューのオオタニサーンが3番人気になっていました。
「未勝利デビューの馬の弱点は追走力のなさだから、短距離では買えないのでは?」という仮説を立ててデータを取得してみました。新馬戦がスローになりやすいのは、馬が気を遣いながら走っているから、だと聞きます。
結果、距離が短くなればなるほど、未勝利デビュー馬の好走率・回収率は低くなっていました。

1000~1300mの好走率は3.4%。
1400~1600mは6.5%。
1700~2000mは8.8%。
2100~2400mは16.2%。(2021~2023年)。

距離によってかなりの差が出ています。
オオタニサーンは、未勝利デビュー馬でもよく好走させてくる堀厩舎の馬だからこそ3番人気に推されたのでしょう。レースでは出遅れて中団やや後ろから。終い良い脚を使ったものの届きませんでした。
未勝利デビューでネックになるのはやはり追走力だと言っても良さそうです。
堀厩舎はもうバレているので人気になりやすいと思いますが、おそらく距離別の成績はバレていません。
今後も未勝利デビューの馬は距離を意識してみては如何でしょうか?

中山芝の注目レース

・ありません。

中山ダートの注目レース

・2月25日 中山4R 3歳1勝クラス
1000m通過64.4秒はやや重を考えれば超スローですが、L4の49.4秒は優秀で、終い抑えて12.6秒でまとめたラオラシオンはかなりの器。
ラオラシオンは前走、終い12.2秒の余力ラップで勝った馬。控える競馬にも対応できるので、3歳ダートのトップ層相手にも通用しそうです。

阪神芝の注目レース

・2月24日(土) 阪神9R すみれS
1000m通過が60.2秒と流れたというのに、L5が58.5秒と速くなりました。勝ち時計2.12.0もかなり速い。例年、スローで流れやすいすみれSはあまりクラシックに繋がりませんが、今年は超が付くハイレベルだったと考えています。
ペースが緩んだところでマクって勝ったサンライズアースはかなり長い脚を使っています。2戦とも出遅れていますが、新馬戦ではリカバリーして逃げている通り、追走力にも問題はないはず。皐月賞に向けて面白い馬が登場しました。
ジューンテイクは今回も出遅れましたが、大きな出遅れではありませんでした。こちらも相当強い競馬をしています。距離をこなしたことと、34.4秒の上がりを使えたのは収穫。長い脚を使えるタイプです。賞金を加算できなかったのは痛いですが、クラシックに何とか出て欲しい……。

阪神ダートの注目レース

・2月24日(土) 阪神10R 伊丹S
勝ち時計の1.51.9は特に速くありませんが、L2の11.9-12.5が速く時計短縮は可能でしょう。
勝ったサンデーファンデーは休み明けの4走前から相当強くなっている印象。4走前で敗れたダイシンピスケスはメインの仁川Sを勝ちました。
初ダートの3着テーオーグランビルは砂被りは全く問題がありませんでした。2着とはそう差のない内容で、次走も勝ち負けになるでしょう。

小倉芝の注目レース

・2月25日(日) 小倉12R 4歳以上1勝クラス
1000m通過63.6秒の超スローだったとはいえ、L5から加速し続けて終いは11.3秒で余力ラップに。
勝ったユイは振り返ってみるとずっとハイペースの逃げ・先行になって負けていただけでした。
ペースが遅すぎたので価値があるのかは多少疑ってみるべきですが、勝ち馬ユイは評価して良いでしょう。ミドルからスローの逃げなら上でも通用しそうです。

小倉ダートの注目レース

・2月25日(日) 小倉8R 4歳以上1勝クラス
1000m通過61.1秒は馬場を考えれば平均的ですが、L4で11.7秒を刻み、決して前が楽できた訳ではないでしょう。追いかけたヤマニンクイッカーが苦しくなっています。L4の48.9秒も速い。
クリノグローリーがセーフティリードを築いたように映りましたが、これを楽に差し切ったタマモヴェナトルは評価。
2着クリノグローリーは1800mではやや長いですが、1700mなら崩れません。1800mでは疑って、1700mでは買い。逃げて3着のアルシオーネまで評価します。

重賞

・中山記念
1000m通過58.6秒は超ハイペース。これで前が残るのは、それだけイン前有利だったということでしょう。L2は12.3-12.8と失速しています。再現性のあるようなレースではなく、回顧が少し難しいと感じています。
勝ったマテンロウスカイはエプソムC等でハイペース耐性の高さを見せていました。このくらいはやれる力があったということだと思います。
2着ドーブネはスローペースを逃げ・先行して速い上がりでまとめるのが好走パターン。このハイペースに対応できたのは収穫では。
3着ジオグリフは勝つかと思いましたが、終いに甘くなりました。この負けを衰えと見る向きもあるようですが、再現性あるレースではなかったので判断が難しい。
4.5着のソールオリエンス、マイネルクリソーラはかなり外目を上がっていっただけに、これも判断しにくい。ただ、ソールオリエンスは不器用でこういう競馬になるので、今後も展開に左右されるでしょう。5着マイネルクリソーラは前走の中山金杯の評価が低すぎたという印象。ボーンディスウェイより強い競馬だったのにそれよりもオッズがかなり下でした。この位はやれる馬で、力も付けてきています。

・阪急杯
3F通過33.9秒でハイペースでしたが、前も止まらない馬場でした。
ウインマーベルはレース上がりの掛かる阪神1400mがベストでしょう。今後もリピーターとして活躍できそう。出遅れ癖だけが気になりますが、ここ2戦はきちんと出ています。
2着アサカラキングはこのハイペースで逃げて残しただけにもう本物。
3着サンライズロナウドは評価が低すぎたという印象。内枠で恵まれていますが、インで抜け出しにくくなりました。スムーズだったら勝ちまであったはず。
ダノンティンパニーはスタートひと息で、3.4コーナーではかなり外を回されました。評価を落とす必要はなく、重賞を勝てる器です。