中山金杯2021 予想 内枠先行有利。ハイペースに備えて、簡単にはバテない馬を抜てき。

展開

まず、馬場差。
有馬記念当日の2000mでの馬場差が+0.9秒。
今週からCコース替わりだが、例年、雨の影響を受けた年を除けば馬場差自体は中山最終日と同じくらいの数値になる。
今年の有馬記念の時の馬場は例年よりもかなり重かった。
ここも例年よりかなり重い馬場になると読んで良いだろう。

問題となるのはトラックバイアス。
AコースからCコース替わりになり、傷んだ内がカバーされる。
そのため、内枠有利が中山金杯の鉄則。

特に7枠、8枠が厳しく、[0.1.0.43]という壊滅的な成績。
ただし、6枠は[2.2.3.13]と好成績で、7.8枠に強い馬が少なかった分もあるのだろう。
それでも7.8枠だと人気になってもバンバン飛んでいるので、一枚は割り引いて考えたい。

内有利のトラックバイアスもあるのか、基本的には前半のペース問わず先行有利。
2014年、前半1000m59.4秒と速めに流れたオーシャンブルーが勝った年だけ差し馬で上位独占になったが、2015年も59.4秒で流れながら前決着(ただし、1着ラブリーデイ2着ロゴタイプと、1.2着が強かったのもある)。

今年の場合、重い馬場にスタミナを削がれた先行馬が自滅して差し馬が台頭する可能性も少なからずあると見ている。
先行馬も多く、そうなる下地は揃っている。

テンが速いのはココロノトウダイ。
そのテンの1ハロンは、前走から12.7秒、12.3秒、12.4秒と、このメンバーでは安定して上位。脚質からしておそらく番手だろうが、これならポジションを悪くする危険性は少ないはず。

逃げそうなのは、軽量のロザムール
そのテンの1ハロンは前走から12.7秒、12.4秒、13.0秒。
ここ三走は促してハナを取りに行こうとしているので、他が速くて控える、ということがなければ逃げるだろう。二番手でも良い馬なので、ここは他の出方次第か。

他、石川裕紀人に乗り替わってから積極的な競馬をしているテリトーリアル、テンの1ハロンが速めの三頭ショウナンバルディ、ディープボンド、リュヌルージュ辺りが続くか。
ヒシイグアス、シークレットランはテンの1ハロンがそう速くないが、ポジションも悪くしたくはないはず。
ウインイクシードはここ3戦、無理をしていないが、戸崎に乗り替わって積極的な競馬をしてくる可能性あり。
マウントゴールドは前走のテンの1ハロンからして明らかに本調子でなかった。一回使った効果で本来の行きっぷりが戻れば。

正直、肝心のペースがどうなるかまでは読み切れない
が、いずれにせよ、中山2000mは後半5ハロンのロンスパ戦になる。
スローなら当然、前有利。
ハイペースになった場合も踏まえる。

先行馬の中でも、重い馬場を苦にせず、ハイペースになっても簡単に崩れないだろうタイプを中心に考えたい。

◎ 2 テリトーリアル
○ 16 ウインイクシード
▲ 4 マイネルサーパス
△ 8 リュヌルージュ
△ 14 ヴァンケドミンゴ

✕ 3 ココロノトウダイ
✕ 5 ショウナンバルディ
✕ 9 ヒシイグアス
✕ 10 アールスター
✕ 11 ディープボンド
✕ 13 シークレットラン
✕ 17 バイオスパーク

見解

◎テリトーリアル
週中から枠さえ悪くなければ本命予定だったが、3着した昨年の1枠1番に引き続き、今年も絶好の1枠2番を引いた。

昨年の鳴尾記念で2枠4番を引き、外から先行馬が殺到して位置取りを悪くしたが、当時の鞍上は馬重視の騎乗を心がける藤岡康太だった。
今回は積極策が武器の石川裕紀人鞍上で、同鞍上になってからのレースを見てもスタート後に促してポジションを取りに行っている。先行馬多数でも包まれて位置取りを悪くする危険性は極めて低いと見る。

この馬の凡走条件は、レース上がりが速くなった時、だと決まっている。

前走の中日新聞杯は1000m通過61.5秒、6ハロン目も12.3秒とペースアップがなく、タフな条件の中京2000mにしてはかなり緩いレースだった。
そのため、先行馬有利にはなったが、レース上がりが34.4秒と速く、2番手を追走したこの馬の不得意とする流れになってしまった。

ラップ12.6 – 11.1 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 12.3 – 11.9 – 11.5 – 11.1 – 11.8
ペース12.6 – 23.7 – 36.4 – 49.1 – 61.5 – 73.8 – 85.7 – 97.2 – 108.3 – 120.1 (36.4-34.4)

直線途中までは頑張っていて見せ場もあったが、11.1秒の区間を過ぎてから失速。
あまりに速いラップを踏むと、スタミナロスが激しいのかもしれない。
重い馬場が確実の今回、そこまで速い脚は絶対に求められない。
前走は度外視出来る。

評価したいのは、昨年の福島記念。
その予想にも書いたが、珍しく福島記念の週にコース替わりがあり、内有利になると見た。

ラップ12.6 – 11.3 – 11.8 – 11.9 – 12.0 – 11.8 – 11.7 – 12.0 – 12.1 – 12.4
ペース12.6 – 23.9 – 35.7 – 47.6 – 59.6 – 71.4 – 83.1 – 95.1 – 107.2 – 119.6 (35.7-36.5)

それを込みでも前半1000m59.6秒はハイペース。
逃げたトーラスジェミニは8着に沈み、1.2着も7番手で最終コーナーを通過した二頭バイオスパークとヴァンケドミンゴで決まった。デンコウアンジュ、ワセダインブルーの追い込み二頭も4、6着で、後ろを引き離した2番手追走のこの馬向きのレースにはなっていない。
それでいて3着確保は高い能力の証。ハイペースになってもバテない証でもある。

内枠、位置を取れる、ハイペースになっても簡単にバテない、昨年の中山金杯と福島記念で見せたロンスパ性能、一昨年に勝ったカシオペアステークス、昨年勝ったオクトーバーステークス、3着の福島記念で見せた時計のかかる馬場適性、福島記念と同斤量。

鳴尾記念は前述の通り、ポジションの問題。
都大路ステークスで0.5秒差のバイオスパークとは、枠、斤量、コースで逆転可能。
小倉大賞典は外差し馬場になった。
一昨年のチャレンジカップはレース上がりが速すぎた。

敗因もほぼ明確。
ここまで条件が向いたのだから本命はこの馬しかいない。

○ウインイクシード
対抗にもリピーターを推す。
どうしても決め手に欠けるため、勝ちまでは期待出来なくても、内回りの1800m.2000mなら非常に堅実。

問題の外枠だが、鞍上の戸崎は外枠好きを公言しており、不利な芝の外枠でも成績を落とさない(以下の本参照)。

福島記念の本命馬。
そこで、今まで展開や馬場に恵まれなかったことを書いた。
福島記念は特に不利はなかったが、縦長になり、前を捉えきれず、決め手がないため後ろから差されて、の5着。ハイペースでもバテないため、この馬に関してはもう少し前でも良かったように思う。

前走ディセンバーステークスはスローにハマり、位置取りも悪くなってしまった。
距離不向きの2戦を除けばずっと掲示板を外していない安定感は魅力。

ここへの適性も抜群にある。
あとは何かひと押しあれば、というところだが、元々の安定感に加えて、外枠得意の戸崎の手腕にも期待。

▲マイネルサーパス
昨年、8枠16番から6着まで差を詰めたマイネルサーパスを単穴に抜粋する。
福島巧者だが、似たようなコース形態の中山の成績も決して悪くない。

前走・中日新聞杯はブリンカー初着用に期待して△を打ったが、スローにドハマり。外枠でずっと外を回され続けたのも辛かった。度外視で良い。

今回の単穴の理由は、ブリンカー効果を適性の向くレースで見てみたいという点、昨年の好走、内枠、テンの1ハロン自体はそう遅くなく、枠を生かしてそこそこのポジションを取れそう、という点。

時計のかかる馬場の方が間違いなく良いので、ロスなく競馬が出来れば一発が期待出来る。

△リュヌルージュ
軽ハンデ魅力のリュヌルージュ。
中山牝馬ステークスで大穴をあけた時は、重馬場に恵まれただけだと思っていたが、高速馬場だった前走・エリザベス女王杯で勝ち馬と1.0秒差12着、スピード指数85なら悪くない。
昨年の現時点よりも成長している。

穴をあけた50キロの中山牝馬ステークスは馬場差+2.9秒で、ラップ的には差し有利だったはずだが、2番手から2着、そのスピード指数も91あり、上々の結果。

福島牝馬ステークスは他馬と同斤量の54キロで度外視出来る。
前有利で時計のかかる馬場だったマーメイドステークスで比較的重い方の53キロを背負って3着。
今回と同じ52キロの七夕賞は相当馬場が重く、その結果から「特殊なレース」に位置付けているが、そこで馬場の悪い内を通って8着なら悲観するようなものではない。

枠も8番枠と悪くなく、適性も先行力もあるので、舐めていると痛い目に遭う。
展開一つで馬券に絡んでもおかしくない。

△ヴァンケドミンゴ
全4勝を福島で挙げている無類の福島巧者。
似たコース形態の中山でも好成績を挙げて不思議ないのだが、それが悪い。
その理由だが、レースを見る限り、急坂を不得手にしているようには見えない。
むしろ、早めに捲くっていきやすい福島のスパイラルカーブがよほど合うのでは、という印象を抱いている。
それなら小倉でも好走していて不思議ないのだが……。

競馬にはロジカルな面と、ロジカルで把握出来ない面がある。
ここで詳しく書くつもりはないが、ロジカルで把握出来ない面の扱いというのも非常に重要。

とにかくここは軽視禁物。
また、七夕賞、福島記念のテンの1ハロンは13.2秒と遅くなく、後方一手の脚質から脱却しつつある。カシオペアステークスの指数も100と高く、完全に本格化している。
適性はともかくとして、能力だけで十分に買える馬。
外枠で評価を一枚落としても連下にはする。

前に行ける馬は極力押さえたい。

✕ココロノトウダイ
展開の所に記したように、位置取りは悪くしないだろう。
内枠も良い。
セントライト記念は情けなかったが、陣営も追い切りで動くようになってきたと言っているように、今回、坂路で自己ベストを大幅更新。
押さえておきたい。

✕ショウナンバルディ
3勝クラス、中日新聞杯ともにペースに恵まれたものなので、切ろうかとも思ったが、今回も恵まれる可能性が高いと見て押さえる。

✕ヒシイグアス
先行脚質で中山実績もあり。
枠も悪くない。
先行出来るか微妙な一頭だが、脚質面から押さえておきたい。

✕アールスター
テンの1ハロンだけ見れば先行出来てもおかしくない。
特に条件戦時代が速い。
ここ二走も着順ほど大きく負けていない。

✕ディープボンド
能力自体は認めるが、中山の皐月賞で惨敗している点、菊花賞以外では古馬に通用する指数で走っていない点、決め手がないのは明らかで勝ちきれるレベルのものを持っているか甚だ疑問な点、等を考慮して✕までとする。
タフなレース自体は向く。
通用するか未知数。

✕シークレットラン
葉牡丹賞で2歳レコードを出して勝った中山巧者がオープン入り。
高速馬場の葉牡丹賞で勝ち、時計のかかる京成杯で破れたことからも、おそらくは時計の出る馬場向き。それでも前走は+0.5秒と重い馬場の京都で勝ちきっている。
通用しても不思議はない。

✕バイオスパーク
坂が駄目なのは案外、この馬かもしれない。
京都で勝って、阪神で着順を落としている。
斤量増に大外枠もあり、過信禁物。

他。
ロードクエスト。
距離延長には期待していたのだが、超スローのチャレンジカップでの止まり方を見ると手が出にくい。

カデナ。
タフなレースは向くが、中山で追い込み一手では買いにくい。
毎日王冠で「意識的に位置を取って流れに乗せていった」という三浦皇成が今回も乗るので、そこに一抹の期待があるが、メンバーを見渡しても後方待機になりそうで……。

マウントゴールド。
ポジション取れず惨敗のディセンバーステークスから中一週でそう良くなるようには思えない。中一週なので当然だが、追い切りも馬なりの一本のみで果たしてどこまで良化するか……。

ロザムール。
距離延長というだけで不利だが、前走が、指数79しかない超低レベル戦。
中二週で追い切りは馬なりの1本。
前に行けるといっても流石に買いにくい。

ダーリントンホール。
チャレンジカップを予定していたが、動きが今ひとつなので延ばしたという話。
一週前追い切り(というよりも、日数的には日曜追いに当たる)が非常に悪い。

12/30 南W 良 助手 81.9-67.9-53.9-40.6-13.9 位置4 一杯
外セントオブゴールド馬なりと6ハロン併せで0.4秒遅れ

一杯に追ってラスト13.9秒は「明らかに悪い」レベルに入る(調教は、良い馬を買う、というよりも、悪い馬を消す、というスタンスを取っている)。
最終追い切りこそ時計が出ていて先着もしているが、たかだか数日で中身が一気に良化するようには思えない。
陣営も「ようやく良くなってきたが、一度使っての変わり身に期待です」と述べている。これは追い切りの時計からして信頼して良いコメントだと判断。
来たら事故だと見なす。

なお、今年からレース回顧をごく簡単にでもすぐに挙げるようにする。
そこに、当たっても外れても馬券のスクショを全て載せようと思っている(多点買いになると複数枚に及んでしまうのだが……)。筆者は、iPATと、クレジットカード払いのJRAダイレクトで馬券を購入しているが、それぞれサイトのUIが違うので、ご留意ください。

馬券を載せる理由。
Twitterで馬券画像を挙げるとそこそこ見てもらえるという理由が一つ。
後出しだとしても、きちんと挙げた予想に従って馬券購入しているという証拠にするのが一つ(ただし、当日の馬場等を見て買い方を変える場合もあります。ご了承ください)。

あと、馬券の買い方の反省がしやすくなるというのが最後の理由。

また、昨年の重賞のレース回顧を初めから挙げ始めているので、良ければ目を通して下さい。
中山金杯は参考になるかと思います。京都金杯は今年、コースが中京なので意味ないかと思いますが……。

中山金杯2020 レース回顧
京都金杯2020 レース回顧


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