かしわ記念2021 予想 適性ここにあり。

出馬表
1枠1番タイムフライヤー 牡6 57.0(JRA)
2枠2番サルサディオーネ 牝7 55.0(大井)
3枠3番カフェファラオ 牡4 57.0(JRA)
4枠4番ワークアンドラブ 牡6 57.0(大井)
5枠5番ミューチャリー 牡5 57.0(船橋)
5枠6番カジノフォンテン 牡5 57.0(船橋)
6枠7番ドーヴァー 牡8 57.0(大井)
6枠8番ワイドファラオ 牡5 57.0(JRA)
7枠9番メイショウオオゼキ セン11 57.0(愛知)
7枠10番インティ 牡7 57.0(JRA)
8枠11番ソリストサンダー 牡6 57.0(JRA)
8枠12番サンライズノヴァ 牡7 57.0(JRA)

◎ 8 ワイドファラオ
○ 2 サルサディオーネ
▲ 10 インティ
△ 1 タイムフライヤー

△ 6 カジノフォンテン

見解

こんなにも面白いメンバーが揃うとは……、という印象のかしわ記念。
予想にも気合いが入る。地方交流重賞は本ブログを初めて見てくれる方が増えるので、筆者の思考も含めて書いていきたい。

かしわ記念で重視すべきは、時計のかかるダート適性。
中央の軽いダートで勝ってきた馬も集まってくる分、強く意識する必要がある。

適性の考え方で重要なのは、適性というのは相反するものだという点。
芝でいえば、レース上がりの速い瞬発戦に適性がある馬は、レース上がりのかかる消耗戦に適性はない、と言える。

上の『競馬で長期的に勝つための馬券師バイブル』という本に代表的な例が提示されてある(この本は相当優れた競馬予想本なので未読の方、競馬中級者には強くオススメする)。
ゴールドシップとジェンティルドンナは同時期に活躍した馬だが、ワンツーは一度もない。
それは適性の違い故にである。
ゴールドシップは消耗戦に適性があり、ジェンティルドンナは瞬発戦に適性がある。

本では、レース上がりが目安になると書いてある。
レース上がり35.7秒以上なら消耗戦、と言っても良いと。
ゴールドシップが勝ってジェンティルドンナが負けた二回の宝塚記念は、それぞれレース上がりが38.0秒、35.6秒と、消耗戦と言える。
宝塚記念と有馬記念の両グランプリはそもそも消耗戦になりやすく、ステイゴールド産駒が勝ち星量産しているのは産駒が消耗戦タイプに偏るから。
ジェンティルドンナの引退レースの有馬記念が例外で、超スローになってレース上がり34.6秒の瞬発戦になった。

ダートの場合も発想は似ているが、レース上がりというよりはコース適性の方が重要だと見ている。

上のマトリックスを見てもらえば分かるように、中央全場で最も軽いダートは東京で、重いダートは中山である。中央は砂は全て同じものを使っているが、コース形態の差でタフかそうでないかが出てくるのである。

今回のかしわ記念はどこに当てはまるかといえば、左下の中山の方になる。
基本的に地方の競馬場は重いダートなので、左下だと考えてもらえば良い。

例外は盛岡競馬場である。
昨年、マイルチャンピオンシップ南部杯で日本レコードが出たように、あそこだけは時計が速い。
フェブラリーステークスも基本的にかしわ記念と逆適性になる。

かしわ記念はフェブラリーステークス組が沢山来ているじゃないか、というそもそも論があるが、ダートは基本的に芝よりも適性の差を凌駕しやすい。能力が高ければ、適性がなくても来る、ということは往々にしてある。
が、今回に関しては適性を重視した方が良い。
そこまで出走馬の能力差がない、というのが大きな理由の一つ。
適性がないと走れなくなる馬、適性があれば走る馬、極端なタイプが多く出走していることが二点目の理由。

重要参考レースから紐解いて行く。
筆者はフェブラリーステークスを6頭まで簡単に絞ることが出来た(軸の選択を誤って外しているので自慢にならないが……)。
東京ダートの適性を見ただけである。
ハイレベルだった昨年の武蔵野ステークス上位組、サンライズノヴァ、ソリストサンダー、エアスピネル、ワンダーリーデルの4頭。
これに加えて、ユニコーンステークスが超好時計だったカフェファラオ。
昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯で日本レコードを出したアルクトス、の6頭である。
なお、インティは年齢を重ねてトップスピードが落ちてきたこと、勝ったフェブラリーステークスは展開に恵まれたこと、という2つの理由で軽視した。

ここはフェブラリーステークスとは逆適性が必要。
したがって、狙いはフェブラリーステークス敗退組、また、日本レコードだったマイルチャンピオンシップ南部杯で適性なく負けた組、となる。

両方当てはまる昨年の覇者ワイドファラオが本命。
この馬、芝でも走っていたことから高速ダートは向くと思っていた時期もあるが、これ、ヘニーヒューズ産駒の特徴で、若い内は芝もこなせるが年を重ねるとダート仕様になるという。
負けてきたレースは敗因全て明確。

フェブラリーステークス:ハイペース先行、直線失速。
みやこステークス:ハイペース先行、失速。
マイルチャンピオンシップ南部杯:超高速馬場適性不向き。
帝王賞:スローペース逃げも相手強力。距離不向き。
1着 かしわ記念:スローペース逃げ。適性・展開共にハマるも、走破時計・指数共に優秀。
フェブラリーステークス:ハイペース逃げ、失速。
根岸ステークス:スローペース前有利も、速い上がり要求されて5着まで。
チャンピオンズカップ:スタート躓く。惨敗するも、このレースはハイレベルで指数は高い。
みやこステークス:ハイペース先行で、前の組で唯一粘る。強い内容。
オーバルスプリント:不利なダートの3歳馬ながらも2着。評価出来る。
1着 ユニコーンステークス:ハイペース逃げ切る。強い。

以上。
昨年、高い指数でここを勝っているように適性は抜群。
ここはハイペースが予想されるものの、前有利な船橋競馬場で、特に逃げにこだわるタイプでもないことから3番手を追走出来れば問題ないと読む。

散々負けてきたから人気妙味は相当高い。
昨年のメンバーは少頭数でも超一流揃いだったが、高速ダート向きのアルクトス、モズアスコット、サンライズノヴァらをあっさり退けた事実は非常に重いと見る。

相手は適性と期待値重視。
筆者は、期待値の高い馬を買って幾つか当てて元を取るスタイルに先日定めたので、外れは覚悟で相手も絞る。

サルサディオーネ。
船橋の鬼であり、少々のハイペースでも止まらないのが強み。
昨年の日本テレビ盃(船橋1800m)はいくらなんでも速すぎた。
前走は案外すぎる敗戦だが、距離不向きのエンプレス杯で2着、後ろを6馬身千切ったのは驚きで、おそらくは今が絶頂期にある。
昨年の京成盃グランドマイラーズの指数だけ走れば、ここでも入着可能。
そこでカジノフォンテンにクビ差負けているが、向こうが54キロと軽かった。今回は向こう57キロで、こっちが55キロ。逆転可能な上に、オッズは2番人気と単勝万馬券という差。この差ならサルサディオーネを買う。

インティ。
トップスピードは衰えているはずだが、前走のフェブラリーステークスは出遅れて後方から追い込むという驚きの競馬。
フェブラリーステークスは内有利のトラックバイアスで、外差しは厳しかったはず。現に、東京マイル巧者のサンライズノヴァ、ソリストサンダーが外を回して伸びあぐねた。
1800m向きのタフなダート巧者だと見ているが、1ハロン短くなっても対応出来るはず。
一昨年はオールブラッシュの早め進出で、早めに動かざるを得ない厳しい展開ながらも2着確保。上々の指数で、年を重ねた今でも通用する。

タイムフライヤー。
東京巧者で、タフな中山のマーチステークスで負けるというタイプだが、タフな中京のチャンピオンズカップでもそこそこ頑張っている。
マイルなら大丈夫だろうし、何より怖いのが鞍上の川田。
地方交流重賞での川田の強さは異常。
今年の地方交流重賞の成績を見ても7戦6勝3着1回という強さ。昨年以前も相当な好成績で、決して偶然ではないだろう。川田の馬を動かす技術や好位への意識の強さなど、地方交流重賞に強い要因があるのだと思う(騎手に関しては全く詳しくないが……)。
乗り替わりはプラスと見て、相手に押さえる。

カジノフォンテン。
同舞台の前走の指数高く、決して楽ではないペースで逃げ切り。
前走だけ走れば馬券圏内なので、2番人気でも押さえておきたい。

他。
ちなみに、確信を持って消せるような馬はほぼいないため、当てにいくなら他もきちんと押さえておくことをオススメする。ワイドファラオから買えば人気馬相手でもプラスになるだろう。

カフェファラオ。
昨年のチャンピオンズカップの時から「来年のフェブラリーステークスで買いたい」と思っていた馬。内枠引いてどうかと思っていたが、ルメールの好騎乗。
中京のシリウスステークスは時計遅くて指数も低い。相手が弱くて勝てただけだと評価している。
チャンピオンズカップの方は、適性がない割には相当頑張ったと見ている。
ここへの適性はないが、地力の高さで勝てるかどうか、という評価。

ワークアンドラブ。
大井のマイルなら買いたいが……。

ミューチャリー。
これも大井なら買いたいが……。
基本、前の馬でグルーピングしたので後方組は軽視。

ドーヴァー。
芝の消耗戦タイプ。芝で上がりのかかるレースになれば滅法強い。
まあ、かしわ記念とは関係ない話が出てくるような馬なので……。

メイショウオオゼキ。
流石に力不足。

ソリストサンダー。
フェブラリーステークスは8着でも指数は武蔵野ステークス2着と同程度ある。
東京マイルで強い競馬をしているだけに、ここというタイプではないだろう。

サンライズノヴァ。
これはもう若い時からスピードタイプ。
ユニコーンステークスは直前で強い雨が降って圧勝。
ジャパンダートダービーで惨敗。
地方でも時計の出るマイルチャンピオンシップ南部杯を勝ち、翌年も強敵相手に4着。
南関東ではさきたま杯4着。
かしわ記念3着は相手だが、適性のないアルクトスとモズアスコット、馬が出来ていなかったルヴァンスレーヴに先着で、特に評価するところはない。
一昨年の覚醒は認めるし、来ても不思議ではないが、馬券からは切る。

以上。
馬券はワイドファラオの単複は買っておきたい。
相手は四頭に絞って馬連・三連複を予定。ワイドも買うかもしれない。
明日、馬券購入したらここに貼り付けるので、気になればまた見に来てください。
長い記事を読んでくださり、ありがとうございました。

前日よりもワイドファラオが売れてしまったが、そこまで甘くはないかという印象。
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