昨年、拙著『「永遠の初心者を脱する!」ための競馬思考』を書くにあたり、「風」についても調べて書きました。各競馬場ごとの直線の方角については画像を添付しておいたのでご参照ください。
本コラムを書くにあたって改めて「競馬 風」でググってみました。興味を持つ人が増えているのでしょうか、表示される記事数が非常に増えていました。中でも『政治騎手名鑑』を出版されている樋野竜司さんのnote記事が秀逸。2019年10月から約3年半のデータを集めて書いたそうです。リツイートすれば全て無料で読めます。もっともっと拡散されて良い記事だと思うので、ご紹介させていただきます。
https://note.com/hinokun/n/n164f4ce6f938
最終直線の向かい風は、差し馬の切れ味が削がれて先行有利になりやすいとは知っていましたが、樋野さんのデータ的にも正しいようです。最終直線の追い風は、差し馬が有利になりやすくなります。
今年に入ってから私も風への意識を強めましたが、強風が吹きやすいのは春(2~4月)。夏になってからは強い風の吹く日が一気に減りました。特に、中山競馬場・小倉競馬場は春開催もあり、風の影響を受けやすいように感じています。どちらも北風の影響を受けやすく、これは中山では向かい風、小倉では追い風に当たります。函館競馬場も海に近く、南風の影響を受けやすくなっています。私は「5m/s」以上を強風と見なしています。
7/1の函館6R新馬戦・ダート1000mで、ナスティウェザーという馬が終い10.9秒という凄まじいラップを刻みました。これはダートにおける上がり1Fの過去最速の記録です。本コラムを書くために調べてみたところ、この日の函館競馬場は強い西風(直線追い風)が吹いていました。6.1~7.7m/s程度だったようです。ダートで10.9秒というのは風の影響込みでもかなり速いので、ナスティウェザーはダートで今後活躍すると見ています。ですが、この日は他のレースでも加速ラップだったり、失速幅の少ないラップだったりが出ているので、多少は割り引く必要がありそうです。
春の中山は北からの強風が目立ちます(直線向かい風)。2023年で目立ったのは、2/26の中山記念の日。中山記念はラスト3Fが11.6-11.4-12.4と、終いに1.0秒も失速しましたが、向かい風が原因だと考えればあまり割り引く必要はなさそうです(北西の風4.3~5.1m/s程度)。パトロールビデオが揺れているのも確認できます。結果論にはなりますが、勝ったヒシイグアスは馬群の中に入って風よけを作り、人気を裏切る惨敗だったソーヴァリアントは外に出して風をモロに食らっていました。
春の小倉は北からの強風が目立ちます(直線追い風)。加速ラップや持続ラップになりやすいので数字をそのまま受け取るには注意が必要です。
気象庁のホームページで過去の風データを見ることができます。分かっていてもなかなか予想に加味しにくいのが風というファクターなのではないでしょうか。風向きや風の強さは時間帯によって変化してしまうイメージもあります。とはいえ、過去データなら信頼度も高いので、良いラップ・悪いラップが偏って出た日は調べてみてはいかがでしょうか。良い発見ができるかもしれません。
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