「道中大マクリ馬のいるレースはラップの動きに注目!」

6月25日の阪神6R(ダート1800m)、競馬王チャンネルにて、私は4番人気のノボリクレバーという馬に本命を打ちました。結果、期待に応えて勝利を挙げてくれました。

前走の未勝利勝ちでは、L4を49.6秒、L2も12.0-12.3と余力ラップ基準をいずれもクリア。ただ、この日の中京ダートは雨の影響が残り、L4基準の50.0秒は中距離ダートの5R全てでクリア。それを知っていただけに、基準ラップの価値を少し疑っていました。それでも本命を打てたのは、2着馬グラングストがマクってきた影響で、逃げていたノボリクレバーが5F目に11.9秒というかなり速いラップを刻んでいたからです。レースをご覧いただける方はチェックしてみてください。約53秒地点でマクりの影響を受けてペースアップしていると分かります。自分のペースを乱されるのは負荷が高くなります。それを苦にせずに楽勝したことは評価できるだろうと考えた訳です。

一方、グラングスト側もマクったことによって5F目に11秒台前半を刻んでいるので、0.5秒差2着に踏ん張ったことは評価できます。次走の未勝利戦では、2着とはクビ差だったものの、3着には10馬身差を付けての勝利となりました。

今回はマクった側が「物理的に上位は無理」だったという例を紹介したいと思います。9月18日の阪神7Rで5番人気4着だったヒメナデシコです。

レースラップは、
12.7-11.1-12.9-12.9-12.7-11.6-11.6-11.2-11.5-11.8
になります。

この馬はスタートで出遅れ。5F目にマクり、先頭より1.0秒は速いラップを刻んでいます。ヒメナデシコは自身、5F目に11.7秒くらいのラップを刻み、マクり切れずに3コーナーで一旦下げたものの、残りは基本的にレースラップに付いていった形になっています。

ですが、このレースはL5が57.7秒とかなり速くなったので、ヒメナデシコが上位に入線するためには後半で6Fもの長い脚を使う必要があった訳です。競走馬が比較的速いラップを持続して刻めるのは5Fまで。持続戦やロンスパ戦などと言われるレースは後半4~5Fが速くなるレースを指しています。後半6Fを速く走れるなら、スプリンターのレースをしているも同然になってしまいます。
このレースでのヒメナデシコは結果的に後半6Fの脚を要求されることになったので、「物理的に無理」だと表現した訳です。3.4コーナーで外を回されながら0.9秒差の4着なら十分強い競馬をしています。

ヒメナデシコは新馬戦のL2・11.5-11.5を差し切ったことで余力ラップとして高く評価している馬なのですが、その後、ずっと追い切りが悪く、馬体も減り続けて評価しにくいレースが続きました。2走前の休み明けから馬体増が続いており、今回は追い切り時計も出ていました。また、この日はデムーロ騎手のマクりが2R・3Rで決まっていたので、マクってくるだろうと薄々感じていました。元来はスタートを決めてくれる馬なので、もうそろそろ出番が回ってくるはずです。

P.S.この手のパターンを軽く調べてみましたが、やはり低速馬場でこそマクりやすいので好例は少なかったです。スズハロームの未勝利勝ちは凄まじいレースをしていました。伏竜ステークスで3着のヒーローコールは結構無理のあるレースをしていますね。南関3歳最強の一角なのはダテではないなと感じました。